HTML5のオーサリングに対応した「VideoStudio」シリーズの新バージョン。デスクトップ画面の録画も可能になった。「VideoStudio」は、初心者でも簡単に使える高い操作性と、プロユースにも十分に堪える多彩な機能とで定評のある動画編集・ディスクオーサリングソフト。ユーザに“こだわりの動画作品制作環境”を提供してくれる。新バージョン「X5」では、HTML5の作成・編集への対応、デスクトップ画面を録画できる「スクリーン録画」機能の追加が行われたほか、オーバーレイトラック数の増加や3D編集機能の強化も図られた。60p/50p映像の編集・出力も可能になった。上位版「Ultimate」のほか、一部機能の割愛された「Pro」もある。
HTMLオーサリングでは、HTML5の特徴でもある「プラグイン不要で動画再生に対応したページ」を作成できる。まず「VideoStudio」のバックグラウンドトラックに再生したい動画を置き、次にオーバーレイトラック上に静止画やテキストなどのオブジェクトを配置する。オブジェクトに対し、URLリンクや動画のチャプターポイントへのリンクを指定しておけば、ブラウザでオブジェクトがクリックされた際にURLを開いたり、動画を再生したりできるようになる。
HTML5の動画は、MPEG-4 AVCとGoogle提唱の新動画コーデック「WebM」の2種類の形式で出力され、ユーザの環境で再生可能な形式が自動的に選択される。ローカルパソコンで再生できるのはもちろん、Dropboxを経由してWebなどにアップロードすれば、別のパソコンやiPadなどでも再生できる。
新バージョン「X5」では新たに1080 60pおよび50pの動画の読み込みにも対応し、デジタルカメラで使われることの多いプログレッシブ形式の動画も直接、編集できるようになった。もちろんプログレッシブ形式でファイルを保存できる。
さらに、パソコンのデスクトップ画面の様子を録画できる「スクリーン録画」機能が追加されたほか、MPEG-4 MVCの取り込み・編集にも対応。3Dのままでの編集や3D⇔2Dの相互変換などを行える。サイドバイサイドやアナグリフ方式(赤青めがね方式)など、さまざま3D方式に対応し、2D/3Dいずれでも出力できる。
編集機能では、最大20トラック(従来は6トラック)までのオーバーレイトラックを利用できるようになった。メイントラック1トラックと合わせ、最大21トラックを駆使した編集を行える。
静止画の取り込みでは、コーレル社のフォトレタッチソフト「PaintShop Pro」の画像(.PSPImage)に対応した。PSPImageが持つマルチレイヤの画像を個別のオーバーレイトラックに取り込むことができ、レイヤごとに画像のON/OFFを切り替えたり、個別に動かしたりといった操作を行える。
「VideoStudio X5」には、上位版「Ultimate」と通常版「Pro」がある。「Ultimate」では、
- 地図や静止画上をマウスでなぞり、特定のオブジェクトを軌跡通りに移動させるようなアニメーションを作成できる「proDAD RotoPen」プラグイン
- 手持ちのカメラで撮影された動画の手ぶれを除去できる「proDAD Mercalli SE」プラグイン
- 動画にファンタジー風の効果を適用できる70種類のビデオフィルタ、80種のトランジションエフェクトを搭載する「proDAD VitaScene」プラグイン
などが含まれる。「Pro」に搭載されているNewBlueビデオフィルタも、「Ultimate」では10カテゴリー、83種類が追加されている。