オンライン会議やチャットなどの機能も備えたリモートデスクトップソフト。デスクトップ画面をキャプチャしたり、リモートコントロールセッションを記録したりすることも可能。「TeamViewer」は、ネットワーク上のほかのパソコンを操作したり、ファイル転送を行ったりできるリモートデスクトップソフト。1本でリモート側(遠隔操作を受けるコンピュータ)とローカル側(操作を行うコンピュータ)とのどちらにも利用することが可能。メイン画面から簡単に接続できる。接続相手(パートナー)との役割交代(リモート側とローカル側との切り替え)も簡単。インストールすることなく、セットアップファイルを直接実行して使うこともできる。
起動後に表示されるメイン画面は、「リモートコントロール」「会議」の各タブ画面で構成される。「リモートコントロール」は、さらに「遠隔操作を受ける許可」「リモートコンピュータの操作」の二つのエリアに分かれ、
- 遠隔操作を受ける許可を出すための「使用中のID」「パスワード」
- リモートコンピュータの操作を行うためのパートナーID入力ボックス
が表示・用意されている。リモート側がパートナーに「使用中のID」「パスワード」を伝え、ローカル側で入力することにより、リモート接続が確立する仕組み。接続モードには「リモートコントロール」「ファイル転送」があり、パートナーコンピュータへの接続時にどちらかを選択できる。「リモートコントロール」では、ローカル側のウィンドウのひとつとしてリモートコントロールウィンドウ(リモートコンピュータのデスクトップ)が表示され、「ファイル転送」では、FTPクライアントソフトに似たファイル転送ウィンドウが表示される(ファイル転送ウィンドウは、リモートコントロールウィンドウから起動することもできる)。
リモートコントロールウィンドウは、全画面モードに切り替えることも可能。デスクトップ全体だけでなく、特定の単一ウィンドウだけを選択して、表示させることもできる。表示オプションでは、デスクトップの表示解像度や画質の指定、マルチモニタ環境に応じた設定などを行える。
リモートコントロールウィンドウ上部のツールバーからは、リモートコンピュータに【Ctrl】+【Alt】+【Del】を送信したり、コンピュータをロックしたりといった操作を行うことが可能。さらに、
- リモートコンピュータのカメラや音声出力を視聴する機能
- テキストチャット機能
- リモートデスクトップのスクリーンショット作成機能
- リモートコントロールセッション(操作の様子)を動画として記録・再生できるレコード機能
なども利用できる。ファイル転送ウィンドウは、一般的なFTPクライアントソフトによく見られるレイアウト。ローカル/リモートのフォルダツリーが左右に並び、ファイル操作を行える。ファイル転送ウィンドウのほかに、「ファイルボックス」機能もある。ファイルボックスを起動すると、ローカル/リモート双方のデスクトップに小さなウィンドウ(ウィジェット)が表示され、ドラッグ&ドロップなどでファイルを登録することが可能。登録されたファイルには双方からアクセスできるようになる。
「会議」には、その場で簡単に起動できる「インスタント会議」と、スケジュールを設定できる「マイ会議」とがある(マイ会議の開催には無料のユーザアカウント登録が必要)。会議を開催したユーザはプレゼンタ(主催者)となる。招待者(参加者)が会議に参加(接続)すると、招待者側のパソコンにプレゼンタ側のパソコンの画面が表示され、プレゼンテーションや画面操作のデモなどを行うことができる。会議では、動画やVoIPなどの機能に加え、デスクトップに図やテキストを描画できる「ホワイトボード」機能を利用することも可能だ。
「TeamViewer」には、フルスペックの「オールインワン」のほか、リモート側としての利用に機能が絞られた「TeamViewer QuickSupport」などのバリエーションがある。Mac版、Linux版、さらにはAndroid用アプリやiPhone/iPad用アプリなどもあり、モバイル機器からパソコンを遠隔操作することも可能だ(いずれも作者のホームページからダウンロードできる)。