1周を3〜4時間程度で遊べる手軽な経営シミュレーションゲーム。ストーリーに重点が置かれ、経営シミュレーションが陥りがちな「作業の繰り返し」を、バラエティ豊かなイベントでうまくカバーしている。「シミュレーションパート」は、シンプルながらも奥深く、エンディングまで飽きることなく楽しめる。特に、さまざまな材料を集めて料理を開発するのと、人気などを考慮してお品書きを決定する過程がとても楽しかった。
ゲームのタイトルになっている「へんでろぱ」はシチューのこと。ほかにも鶏肉を「こかとりす」、パフェを「うはあん」と呼んだりと、ユニークな料理が数多く登場する。ただ料理を作るだけでなく、プレイヤーを楽しませるためのアイデアがふんだんに盛り込まれ、好感が持てた。
「イベントパート」も、豊富な量の依頼と登場キャラクタでこれまた楽しめる。お気楽な出来事ばかりではなく、ミステリアスな事件も用意され、メリハリが利いている点も評価したい。キャラクタグラフィックもかわいらしく、ビジュアル面でも飽きさせない。
「へんでろぱ!」には、アリスソフト作品のキャラクタが多数登場する。原作となっているゲームを知っていればより楽しめるが、知らなくても十分におもしろい。エンディング後のオマケコーナーや、2周目以降のクリア特典なども充実している。手軽にシミュレーションゲームを遊びたい人から、ガッツリやり込みを求める人まで、比婆広くお勧めできる作品だ。
(早川 陽子)