磁気円盤の代わりに、不揮発性のフラッシュメモリを使ってデータを記録し、ディスクとして利用するSSD。最近、急速に普及が進んでいる装置のひとつだ。省電力、高速、低騒音、そして次第に低価格化してきており、いいことずくめのようなデバイスだが、欠点もある。ハードディスクと比較して、データの書き換え回数に制限があるという点だ。フラッシュメモリの書き換え回数は数十万回以上という、一見するとかなり余裕がありそうな値なのだが、パソコンのディスクは想像しているよりずっと高い頻度で書き換えが行われる。特に、ファイル位置などの情報が書き込まれる「アロケーションテーブル」部分は、きわめて高頻度で書き換えられるため、傷みが早い。そこでSSDでは「ウェアレベリング」という仕組みを使って、ディスク中の同じ場所が何度も書き換えられないような工夫がなされている。
非常によいアイデアなのだが、こうした高度な機能があるがゆえに、ユーザにとっては「SSDの寿命をつかみづらい」という問題も出てくる。ウェアレベリングでの書き込み分散は、ディスクの空き容量の大きさなどによって効果に大きな違いが出るため、単純な使用時間だけでは寿命を判定することができない。
「SSDlife Pro」は、こうしたさまざまなパラメータによって影響を受けるSSDの寿命を、独自のアルゴリズムで判定してくれる。もちろん判定はあくまで「予測」でしかない。予測通りに壊れるかどうかは断言できないが、少なくとも素人が「勘」で判断するよりはずっとマシだ。
SSDは音も振動もなく、発熱量もハードディスクに比べ、段違いに少ない。それだけにユーザにとっては故障を見つけづらいという難点もある。「気がついたらデータが失われていた」などということがないよう、「SSDlife Pro」でしっかりと寿命管理をしたい。
(天野 司)