グラフ描画機能を備えた多機能関数電卓ソフト。ナンバープレイスの問題を解くこともできる。「EvalCalc」は、四則演算や関数を含む計算式を、そのまま入力して計算できる関数電卓ソフト。グラフを描画できるほかにも、方程式の解を求めたり、数値積分を行ったりすることも可能。実装された関数は多彩。数値関数、指数・対数関数、三角関数などに加え、多倍長計算関数や財務関数といったものまであり、利用できる計算関連機能は実に豊富だ。
メイン画面は、上部に1行の入力ボックス、下部に複数行を表示可能な出力ボックスが配置された構成。入力ボックスに数式やコマンドを入力すると、計算結果やコマンドの実行結果が出力ボックスに表示される仕組み。計算を行うたびに出力ボックスの内容はクリアされるが、ログ機能があり、過去に入力した数式やコマンドを遡って呼び出すことができる。
数式は、通常の数式表記を直接、そのまま入力することが可能。括弧や演算子の優先順位も認識される。例えば「2+3*4」と入力すると、20ではなく、14が解として出力される。前回の計算結果をそのまま引き継ぐことも可能。「2+3*4」で14が出力されたあと、引き続き「++6」と入力すると、先ほどの計算結果に6が加算され、20という結果が出力される。
一般的なスカラ演算のほか、n次元のベクトル演算やn×m次元の行列演算を行うことも可能。「EvalCalc」内でのベクトル表現方法にはいくつかのバリエーションがあるが、例えばSMul(2,{1 2})という数式は「2次元のベクトル(1,2)に対してスカラ値2をかける」ことを意味する。結果は{2 4}となる。
組み込み関数は豊富だ。指数・対数関数、数値・整数関数、三角・逆三角関数、双曲線関数などの一般的な数学関数のほか、ベクトル・行列関数、整式関数といった多値関数、文字列関数、値変換関数などの情報系関数、統計関数、財務関数などの特定用途向け関数など、計200以上の関数を利用できる。物理・化学・数学などの各種定数、kやMなどの単位換算定数なども組み込まれ、どのような用途でも不足を感じることのない充実ぶりだ。
計算結果を記憶する変数もある。数値変数名の長さは最大2文字までという制限はあるが、通常使うには十分な数の変数を確保できる。文字列を処理する文字列変数を定義することも可能だ。
グラフ描画や方程式の求解といった高度な機能も用意されている。数式を入力する代わりに、「EvalCalc」の機能を呼び出すコマンドで実行する。例えばグラフを描きたいのであれば、「Plot」コマンドとパラメータを数式の代わりに入力すればよい。グラフ描画専用のウィンドウが開き、指定のパラメータでグラフが自動的に描画される。描画可能なグラフは2次元グラフ。y=f(x)形式またはx=f1(t),y=f2(t)の媒介変数を用いたXYプロット形式を使用できる。方程式の解は、f(x)=0の式に対する近似解を求められるほか、行列を指定して連立一次方程式の解を求めることも可能だ。
そのほかにもユニークな機能として、
- パズルゲーム「ナンバープレイス」の問題を解く機能
- 指定したファイルを暗号化する機能
- 指定した文字列をGoogleで検索する機能
などがある。出力ボックスに表示された内容は、コピー/カット&ペーストして、ほかのアプリケーションで利用することが可能。テキストファイルに出力することもできる。テキストファイルを出力ボックスに読み込ませることも可能で、「>」で始まる行を数式として再計算させることもできる。