主人公を救世主として認めさせるため、魔物を退治したり、「破陣具」と呼ばれるアイテムを完成させ、密かに設置したりすることが目的の双六風アドベンチャーゲーム。ルーレットの数だけマスの上でキャラクタを動かす双六風アドベンチャー
「囲い花」は、ルーレットを回し、出た数だけマスの上のキャラクタを動かしてストーリーを進める、双六形式のアドベンチャーゲーム。操作ミスや判断ミスによるゲームオーバーなどはなく、気軽にのんびりと楽しめる。キャラクタ同士の親密度やイベントの達成度、日数などの条件で分岐するエンディングは20種類近く。何度もプレイして、さまざまなエンディングを見る楽しみがある。
ゲームの舞台は、人口も産業も乏しい弱小国「オル・タソリア」。隣国「フォ・ミソリア」とは、国力や軍事力があまりにも違いすぎ、攻め込まれたらひとたまりもない。これまでは辛うじて政略結婚などで独立を保ってきたが、フォ・ミソリアの国王が代替わりしたことで情勢が一気に変化。これまでの平和路線が撤回され、次々と他国に侵攻し、領土を拡大する政策が取られるようになった。
危機感を抱いたオル・タソリアでは、民衆の声に押される形で、この国に古くからある言い伝え「国が存亡の危機に立たされたとき、魔術師に導かれし者が国を救う」に従い、救世主を召還した。ところが、この国唯一の宮廷魔術師の召喚によって現れたのは、とても救世主とは思えない一人の少女だった……。
オル・タソリアで少女に与えられた役目は、最近国内に多く出現するようになった魔物を退治し、実力を示すこと。自らを救世主と認めさせるため、少女はオル・タソリア内を単身移動して、さまざまな行動を行う。さらに、少女を普通の女の子だと思い、心配してフォローしようとするキャラクタもマップ上を移動する。
マスの上で移動するキャラクタは3+1人。各キャラクタとの親密度が重要
ゲーム中の主な登場人物は4人。プレイヤーが操作する主人公は「ヴィオラ(名前は変更可能)」。召還により、救世主としてオル・タソリアに現れる。しかし、その正体は隣国フォ・ミソリアの落ちこぼれ役人。上司の指令により、転移魔法を使って召喚されたふりをしたのだが、見た目が普通の女の子にしか見えないため、信用してもらえず、相手にもされていない。
「エントルード」は、オル・タソリア唯一の宮廷魔術師。国の依頼により、急いで救世主の召還を行うが、準備不足のために失敗したと認識しており、その旨、国王にも報告済み。腕は未熟だが、人はよい。ヴィオラのことは普通の女の子と思っており、責任を感じて心配もしているが、次の召喚術を行う準備ができるまでの時間稼ぎとして、ヴィオラに救世主として振る舞ってくれるように頼んだ。
「オルテンド」は、オル・タソリアの宰相の息子で、皮肉屋の役人。国王と親しく、エントルードとも幼なじみであることから、エントルードに救世主召喚の依頼を伝えたりと、救世主プロジェクトの責任者にされてしまう。当然、召喚の場面にも居合わせ、ヴィオラをただの子どもだと思っている。ヴィオラがボロを出さないよう、密かに苦労していて、そのことに苛立っている。
ヴィオラ、エントルード、オルテンドの3人が、順番にマップ上のマスの上を移動するキャラクタとなる。マップ上には時折、国王「イルネート」も登場し、国王を含めた3人のキャラクタとヴィオラとの親密度がストーリーの分岐に重要な役割を果たす。
止まった位置のマスの図柄に応じたイベントが発生し、アイテムなどを入手できる
プレイ方法はシンプル。ヴィオラの順番のときにマップをクリックするとメニューが開くので、行動を選択する。選択できるのは「移動」「アイテム」「魔法」「破陣具」「ステータス」の五つ。本マスの上に止まったときのみ「セーブ」も表示される(クイックセーブはどこでも可能)。「移動」を選択するとルーレットが回り、1から6の数字が決定される。ヴィオラはマップ上のマスを出た数だけ移動する。途中でルートが分岐している場合は、どちらに進むかを選択することが可能。通過するマスの中に町(靴の図柄)がある場合、そこで止まるか通過するかを選択することもできる。
「アイテム」と「魔法」では、それぞれ入手したアイテムや魔法を使用することができる(一度に覚えていられる魔法の数は三つまで)。「破陣具」では、一日かけて破陣具の制作を行う。ただし、そのためには十分なMPと材料が必要。完成するまでにはトータルで何日もの日数が必要となる。「ステータス」ではヴィオラの状態を確認できる。
用意されたマスの図柄は全部で8種類。「剣」のマスに止まると、魔物相手の戦闘を行う。「?」のマスはアイテムを入手したり、防御力・攻撃力・HPなどが変化したりといった“何か”が起こる。「草」は、魔法を思い出すなど、魔法に関することが起こる。「花」は「破陣具」の材料を入手する。「靴」は町で、ファ・ミソリアの上司に報告したり、しなかったり、国王などとのイベントが発生したりする。「切り株」は、1日休みとなる代わりに、HPとMPを一定量回復できる。「本」は通常セーブを行えるマス。「水色の矢印」はスタート地点のお城。ゲーム開始後はゴールとなる。
ヴィオラの目的は二つ。ひとつは、魔物をできるだけ多く倒すこと。そしてもうひとつは、本物の救世主の召喚の邪魔をするために「破陣具」を完成させ、密かに設置することだ。