ペーパークラフトの3Dモデルが回転しながら平面に展開され、再び組み立てられていく様子をアニメーションで見ることのできるスクリーンセーバ。いま静かなブームになっているペーパークラフトをモチーフにしたスクリーンセーバ。ペーパークラフトの作品には、素人が見ると「どうしてこんな形が紙で作れるんだろう」と不思議に感じるものがあるが、その秘密の一端に触れることができるのが、この「ペパクラアニメーション」だ。
起動すると、まず完成形のペーパークラフトモデルが画面に現れる。それは回転しながら徐々に平面に展開されていき、やがて1枚の展開図となる。そして、この展開図からもう一度3Dモデルが組み上げられていく。2次元の展開図が見事な3次元に組み上がっていく様子は、まるで魔法を見ているようでもある。
使用するデータは、ペーパークラフト用展開図作成ソフト「ペパクラデザイナー」のデータファイル。ユーザが指定したフォルダ内のデータを順次再生する仕組みになっている。配布アーカイブにはサンプルとして3種類のデータファイルが同梱されているが、それ以外にも「ペパクラデザイナー」のホームページには、愛好者たちがアップロードした数多くのデータファイルが公開されている。これらのデータファイルを使用することで、クラインの壺などの立体図形に加え、レーシングカーや戦闘機、恐竜といったさまざまなモデルを使ったアニメーションを楽しめるようになる。
設定により、アニメーションのスピード、変形の刻み幅、背景のグラデーションの色を変更することができる。また、フレームレートを表示させることができるほか、「エッジのアンチエイリアシング」「レンダリング解像度を落とす」といった設定も可能だ。ただし、データの再生順の指定はできない。いつも同じ順序で再生され、やや単調な印象を受けるため、ランダム再生のオプションはあってもよかったのではないかと思った。
凝ったスクリーンセーバが多い現在では、絵面としてはシンプルな部類に入るかもしれないが、ペーパークラフトの愛好者はもちろん、そうでない人にも楽しめるスクリーンセーバだ。
(土屋 佳彦)