夜。深々と降る雪。一軒家からもれる灯り。夕餉を楽しんでいるのだろうか。雪のスクリーンセーバというのは結構ありがちだが、夜+雪+一軒家というシンプルな構成にしたことによって、雪が本来持っている神秘的な雰囲気に加え、家族団欒的暖かさをうまく再現したのが「雪積もるスクリーンセーバ」だ。人が歩いたり、犬が駆け回ったりしない、ただ「雪降るのみ」という潔さがいい。窓に人影が見えるわけでなく、灯りが点いたり消えたりするわけでもない。でも、きっと、家の中では家族がお鍋を囲みながら楽しく話をしているに違いない。このスクリーンセーバを見る誰もがそんな思いを抱くのではないだろうか。見ていると、なんとなく早く仕事を終えて家に帰りたくなってしまう、そんな雰囲気を持つスクリーンセーバだ。
雪の降る様子は結構リアル。設定により、雪の数(100〜2,000)、速度(10段階)、積もり具合(5段階)に加え、画面サイズを1/4からフル画面までから選択できる。スライドバーでいろいろと設定を変更すると、それなりに雰囲気が変わってうれしい。家の位置は起動ごとに変わるようになっている。
……と書いてきたが、実は筆者が好きなのはスクリーンセーバ本体よりも、どちらかというと「画面のプロパティ」で見ることのできるプレビュー画面なのだ。異様に大きな雪玉が猛烈な勢いで降るのだ、これが。国内有数の豪雪地帯・新潟あたりでもこうは降らないだろう、と思ってしまったのだが、ひょっとしたらこんな勢いで降るのだろうか……。いずれにしても「ちょっとやそっとの」雪でオタオタしてしまう東京モンには想像のつかない世界が展開されているのである。しばらく見ていると、降りが弱くなってきて、ちょっとホッとさせてくれたりもするのだが。
(練馬 ベク蔵)