|
|
|
■テキスト情報をカード形式ですばやく管理。タブ区切りのテキストも表モードで編集可能だ
|
インターネットで当然のように情報を収集するようになって、ずいぶんと仕事をする環境も変わった。メーカの最新情報や公共機関の統計資料ならWebを見ればいいし、ニュースだって政治、経済、社会、スポーツ、芸能情報にいたるまで、ジャンルを問わず最新のものをメールで受け取ることができる。インターネットを利用する前のように、もう紙の資料で散らかることもなくなった分、ハードディスクの中やWebには大切な情報源が散乱する。そんな情報を階層構造化し、すっきりとまとめてくれるのがこのソフト「Text Cliper」だ。
必要な情報はどこにある? つい、ムダにため込むデジタル情報
例えばWebで見た情報。ブックマークに入れるのはいいが、Webでの情報はどんどん更新される。次に見たときにはもう別の情報に更新されていて、探している情報がどこに行っても見つからない。しかも、ページまるごと必要になるわけではない。新聞なら必要なところだけベリベリ破けるが、Webではそうもいかない。メールだってそう。「もしかしたら必要になるかもしれない」ほんの一握りの情報のために、メールボックスはすぐに溢れかえる。いざ検索しようにも、フォルダで分類しまくって、なおかつ膨れ上がったメールボックスなんて、時間がかかるばかり。古新聞ならまだリサイクルでもできるが、ためこんで結局使わなかったデジタル情報は、ハードディスクの容量を食うばかりで百害あって一利なし。
情報は「すばやく収集」「すばやく検索」で生きてくる
紙に代わって、そんなデジタル情報の洪水でおぼれかけていた生活を変えてくれたのが、何を隠そうこのソフト。Webもメールもニュースグループも、気になる一文を切り取ってすばやくデータベース化してしまえるのだ。しかも、面倒な操作は一切抜き。起動さえしておけば、「一発登録」ボタンをクリックするだけで、すばやく情報を取り込める。一般のデータベースのように、各フィールドごとに情報を分類していく必要もない。とにかく片っ端から取り込んでおくだけでいい。情報収集に時間がかかっては元も子もないというわけだ。
また、ためた情報は必要に応じてすぐに探し出せるのも重要なポイントだ。タイトルや作成日、更新日はもちろん、文中に含まれる「単語」ですばやく検索ができる。検索は、大文字や小文字、全角、半角文字を無視した「あいまい検索」や、複数の単語を使っての「AND検索」「OR検索」も可能だ。
ためた情報は最大限利用できる
そうして検索した情報は、必要に応じて置換機能やクリップツール機能を使うことで、さらに最大限の利用が可能になる。クリップツールとは、クリップボードに取り込んだテキストを加工し、編集中のアプリケーションにペーストするといった、いわゆるクリップボード拡張機能だ。文字の加工はもちろん、引用符の挿入や改行を取り除いたり、インデントや日付の挿入、TAB区切りのテキストをHTMLのテーブルに変換したり、TAB区切りからカンマ区切りへの変換、あるいはその逆の処理が行える。さらに、クリップツールはソースを公開しているので、C言語で簡単なDLLを作れる人なら簡単にカスタマイズできるようになっている。
氾濫する情報の中、その入手から検索、使いまわしまでとことん頼りになる便利なツールなのだ。一度使うと手放せなくなる私の大事な情報ツールが、1999年のイチオシソフト。簡単に使えて、ウソのようにすっきりするから、ぜひ使ってみてほしい。
|
|