次に、PRO版で新しく追加・変更された点について詳しく解説していこう。
まずは、新しくメインメニューに追加された「DB解析」だが、これは「年度別」「病院別」「家族別」等の項目別にデータを集計できる機能だ。これを使うと、家族の誰がどの位の医療費がかかっているか、どの病院にどの位の医療費を払っているか、交通費はどの位かかっているか等、費用の内訳を細かく分析できる。長期的に通院をしている方は、医療費や交通費の見直しをする際の判断材料に役立つだろう。
もう1つの新しいメニュー項目である「通院記録」は、医療機関の情報を登録できるという物だ。追加できる項目は、病院名、担当医名、診察券番号、受付日時、予約状況、連絡先電話番号、WebサイトのURL等があり、これらを入力して置く事で、全ての医療機関の情報を一元管理できるようになる。診察予約をする時に財布の中の診療カードをひっぱり出して、電話番号や受付時間を確認する必要が無くなるという訳だ。
文字の読みやすさを向上させる為の機能として新しく搭載されたのが「ハイコントラストモード」だ。「各種設定」で「ハイコントラスト」の設定を「ON」にする事で、背景色が黒、文字色が白になり、テキストが読みやすくなる。最近のWindowsやmacOS、スマートフォン等に搭載されている、いわゆる「ダークモード」と似たような機能だ。ただし、白背景が読みやすいか黒背景が読みやすいかは人によって好みが分かれる所なので、実際に試してみて読み辛く感じるようなら元に戻せば良い。
上記以外の新機能では、「おまかせ医療費駆除サポートPRO」のデータをExcel等の他のソフトで使いたい時に便利な「CSV出力機能」、確定申告に役立つWebサイトを登録できるブックマーク機能、履歴の項目を日付順・項目別に自動で並べ替えられるソート機能等も追加されている。また、予めセットされたテンプレートから診療内容を入力できるように「治療・検査内容」は34種類、「治療・検査結果」は125種類のテンプレートが用意されている。これによりキーボードで手入力する手間が大幅に軽減されるだろう。
今回使用したPRO版は、下位版と比較して大幅な機能追加や変更はない物の、細かい部分の操作性が確実に向上している為、下位版を使い込んでいるユーザ程、その便利さが実感できるようなアップデートであると感じられた。面倒な医療費控除の手続きが簡単にできるようになる上、細かいデータの分析もできるため、下位版の「おまかせ医療費控除サポート」ユーザはもちろん、今年初めて医療費控除の申請をするという方にも是非使っていただきたい。
PRO版で新しく追加されたDB解析の設定画面。指定の条件で費用を集計できる
こちらも新機能の「通院記録」の入力画面。病院の情報が一元管理できる