ソフトを開発しようと思った動機、背景
キー操作の効率化をテーマとしてフリーソフト「ホームポジションキーパー」を開発しましたが、入力支援の「スニペットツール」を使えば、さらに入力作業を効率化することができます。Windowsにはすばらしいスニペットツールがいくつかありますが、英語のドキュメントであったり、多機能であったり、日本語の全角・半角の取り扱いが弱かったりすることなどから、あまり普及していないようです。そこで日本語のドキュメントで簡単な設定と操作で使え、日本語の全角・半角の扱いができるスニペットツールを開発しようと考えました。
開発中に苦労した点
スニペットツールとは、トリガーの文字列が入力されると、登録された文字列(スニペット)が瞬時に挿入されるものです。ここで問題になるのは「確実に発動すること」と「誤発動への対応」という矛盾をどのように解決するかが難しいところでした。
確実に発動すると、意図しない文字列が挿入されてしまうこともあり、それを誤発動のたびに削除しているのでは、入力の効率化どころではありません。かといって、トリガーに特殊な文字を入れたり、発動するのに制限を設けてしまうと、トリガーを覚えにくくなったり、発動しにくくなったりします。
「Daigo」では、トリガーが入力されるといったんスニペットを反転表示で挿入し、確定キー(【Enter】)を押すと確定、そのままほかのキーを入力すると自動的に反転スニペットを削除して、入力を続行するという方式を考えました。当初は、トリガーを普通に表示していましたが、「反転して表示する」というアイデアを思いつけたのは幸運でした。
しかし、反転表示したトリガーを削除する操作が、アプリによって挙動が異なることに気づき、どのようなアプリでも確実に仕様通りの動きに調整するのが意外に苦労しました。
この方式により、トリガーの登録に制約がなくなり、覚えやすいものを登録でき、誤発動しても入力を続行するだけという簡単な操作を実現できました。また、短いトリガーにマッチングしても、続けて入力することにより、より長いトリガーにマッチさせる「逐次マッチング」も可能になりました。
ほかに、従来の類似ツールにはない日付機能で和暦に対応すること(ビジネス文書では、まだまだ和暦標記が多い)、全角・半角を指定できるようにするなどのアイデアを思いつくのが難しくもあり、楽しくもありました。
ユーザにお勧めする使い方
「Daigo」をお勧めしたいのは、
- 多くのメールを書いたり返信する人
- 多くのビジネス文書を書く人
- HTMLなどタグを入力する人
- 定型文や決まった単語を多く入力する人
といった方です。このツールをうまく使えば、入力効率が大幅に向上するでしょう。今後のバージョンアップ予定
現在、大幅なバージョンアップを予定しています。
- 登録単語ごとの行単位での全角・半角指定
- クリップボード挿入機能
- 一時登録機能
- 二重登録の警告
- メモ帳による辞書表示・編集のメニュー化
- 逐次候補表示機能
不具合や改善要望がありましたら、遠慮なくblog(http://dulunoj.com/)のコメント欄にご連絡ください。
(Paddyleaf)