前バージョンでUnicodeに対応したことで、目標としていた完成形までは到達することができましたが、その後、Windowsのバージョンをアップしたことで、OSの違いによるいろいろな表示の不具合等に気づきました。しかし、リネーム処理自体には何も影響なかったので、いずれ直そうと思いつつも面倒なのでそのまま放置して、別のプログラムの作成に着手することに。その新たなプログラミングの過程で、表示の不具合を解消するための方法などをいろいろ勉強できたので、その知識を活かせば「練馬」のバージョンアップにも役立つだろうなと思い、重い腰を上げてやっと着手したのが約1年前。
もっと早く終わらせるつもりでしたが、修正をはじめるとほかにも操作性などで気になる点が次々と出てきて、結局は大量の修正を行うことになりました。しかし、長い時間をかけて細かな処理方法の見直しを行った結果、無駄を省き、処理効率を改善させることができました。これにより多段階リネームの処理速度などは、以前よりもさらに軽く動作するようになっています。
「練馬」本体については、表示や操作性に関する修正がほとんどですが、リネーム処理については新作プラグインを二つ公開することで、新たなリネーム機能を追加しました。
「クリップボード文字列取得マクロ」は、現在のクリップボードから文字列を取得して、マクロ編集に利用できるプラグインです。ほかのクリップボードツールなどと併用することで、マクロの書式はそのまま変えることなく、クリップボード部分が可変で編集されるので、使いようによっては便利かと思われます。
「Unicode補正フィルタ」は、Shift JISで表示できない文字を表示可能な文字に置き換えるなど、Unicodeに関する補正を行うフィルタのプラグインです。「練馬」本体でもShift JIS表示不可チェックを行う機能がありますが、チェックだけなので自分でひとつずつ修正する必要がありました。このフィルタによりその手間を軽減できます。
いずれも詳細はヘルプに記載してありますので、まずは軽く読んでみてください。
「Unicode版」と「ShiftJIS版」を公開してますが、通常は「Unicode版」の方を使用すれば問題ありません。古いWindowsで「Unicode版」が動作しない場合のみ、「ShiftJIS版」を使用してください。
最初の公開からすでに15年も経っており、長いこと更新を続けてきて、それなりの完成度には仕上がったでしょうし、もうこれ以上の修正はしないくらいのつもりで、今回のバージョンアップに取り組みました。ですが、先のことはどうなるかわかりませんので、今後もマイペースで細く長く対応してゆきたいと思っています。
(山端 茂之)