Webで使われる動画といえば、最近ではストリーミング動画や数十〜数百MBもあるような大容量の動画ファイルが主流だが、Webが普及しはじめた頃は、GIFファイルを連ねてパラパラ漫画風に動画を表現する「アニメーションGIF」が主流だった。アニメーションGIF(またはGIFアニメーション)は、動画の品質としては本来(?)の動画ファイルに遠く及ばないが、
- およそほとんどのブラウザで再生できる
- ファイルサイズが非常に小さい
- 矩形以外の動画でも表示できる
など、メリットも多く、いまでも使われている。「QGifer」は、カメラなどで撮影された動画からアニメーションGIFを作り出せるソフト。ペイントソフトなどには、手描きの画像からアニメーションGIFを作る機能が搭載されているものもあるが、動画からアニメーションGIFを作るソフトは、いざ探してみると、思ったほどにはない。
一部の動画編集ソフトには、アニメーションGIFを出力できるものもあるが、「アニメーションGIFを作るために動画編集ソフトの使い方を覚える」というのも、なんだか本末転倒な気がする。
そうした“希少な”ソフトである「QGifer」だが、同種ソフトの中での特徴はやはり「わかりやすさ」ではないだろうか。動画ファイルからアニメーションGIFを作るなら「たぶんこういう手順だろう」と誰しもが考えるであろう手順で、簡単にファイルを出力できる。海外製のソフトで、メニューや画面表示などは英語表記だが、数分も触れば、すぐにアニメーションGIFを作成できるようになる。動画編集ソフトのように、最初に「プロジェクトを作成する」など、よくわからない操作をする必要などもない(「QGifer」にもプロジェクトの作成・保存機能はあるが)。
アニメーションGIFはそもそも、blogや掲示板などに簡単に動画を貼り付けるために用意されたもの。であれば、そのデータを作るのも、手軽に行えるのが何よりなはず。素材の動画さえあれば、ものの数分でどこにでも貼れるアニメーションGIFを作成できる──それこそが「QGifer」の真骨頂だ。
(天野 司)