基本的にはオーソドックスな画像ビューアだが、細かいところに小技が効いている。特にインタフェースが特徴的で、「ヒストグラム」「オーバービュー」「ファイル情報」などのパネルが半透明でオーバーレイ表示されるところや、サムネイルの表示サイズをキー操作とマウスのコンビネーションで段階的に変えられるところ、またサムネイルの両端にくるとスムーズスクロールですばやく移動できたり、サムネイル専用にスクロールバーを表示できたりするところなど、視認性や操作性に関する配慮がかなり感じられる。その一方でm使っていて楽しさを感じさせるのが「フチなし(Flameless)」ビューだ。「全画面表示」との違いは言葉での説明がちょっと難しいのだが、「全画面表示」ではスクリーン全体が「nomacs - Image Lounge」のウィンドウで覆われてしまうのに対し、「フチなし」ではデスクトップの上に画像とサムネイルだけが表示されている感じになる。
つまり「全画面表示」は画像の閲覧専用になるのに対し、「フチなし」は画像を見ながら、ついでにほかのアプリケーションで作業したり、デスクトップのアイコンにアクセスしやすくなったりしているわけだ。
機能や使い勝手だけに着目すると、「フチなし」も「全画面表示」もそう大きな差があるわけではないのだが、背後のデスクトップが見えているか否かというだけで気分的には大きな違いがあって、「フチなし」の方がなんだかおしゃれな感じがする(個人の感想です)。
さらにもうひとつユニークなのが、インスタンスを使った「同期」機能。字面だとかなり小難しい感じだが、簡単にいうと「複数のウィンドウを同時に起動しておき、一方のウィンドウからもう一方を操作できる」というものだ。
「同期」メニューの中に相手が表示しているファイルの名前が表示されており、選択することで両方が同期し、一方で画像の切り替えや表示倍率の変更などの操作を行うと、もう一方に反映されるようだ。ただし、一方が「フチなし」の場合は、同期自体ができないらしい。
実は、筆者もちゃんと使いこなせるようになったわけではなく、理解できてないところは多いのだが、「ネットワーク経由で複数のマシンに同じ画像を表示させる」といった、プレゼンテーション的な使い方ができるかもしれない。
「編集」「ツール」機能は比較的オーソドックスだが、そんな中で「モザイクアート作成(Mosaic Image)」機能が目をひく。フォルダ内の画像から小さな画像を生成し、それをちりばめて大きなモザイクアートに仕上げてゆく。処理に時間はかかるが、オリジナリティのある画像ができる。
(福住 護)