Nitroアップデートでは、クラウド対応による負荷の軽減や高速化、未知の脅威への対応を強化する「CyberCapture」など、かなり大がかりな強化・変更が行われた。が、見かけ上はいたってシンプル。ユーザが特に気をつけなければならないようなところはなく、「誰でもすぐに使える」ウイルス対策ソフトであることは従来から変わらない。見かけのシンプルさとは裏腹に、かなり細かいところまでカスタマイズできることも特徴。基本機能の「ファイルシステムシールド」「メールシールド」「ウェブシールド」の三つは、感度や除外対象、通知方法、アーカイブファイルへの対応などをそれぞれ個別に設定できるし、「スマートスキャン」でも、スキャン対象を選択したり、ウイルススキャンを細かく設定したりすることが可能だ。
ホームネットワークの安全性をチェックする機能や、安全性が強化されたブラウザ「セーフゾーン ブラウザ(Avast Safezone)」が付属するなど、ベーシックなウイルス対策ソフトからは“一歩踏み込んだ機能”を備えている点にも注目したい。ちなみに「セーフゾーン ブラウザ」で「バンクモード」に切り替えると、Windowsの機能そのものが制限され、スタートメニューなどの操作ができなくなる。スクリーンショットの作成を試みたところ、バンクモードではホットキーが無効で、キャプチャ自体ができず、それならとタイマーによるディレイ設定を試したら真っ黒の画面しかキャプチャすることができなかった。
そのほかにも、ポップアップ広告のブロックやストリーミング動画をオフラインでも再生できるダウンロード機能(再生を開始してしばらくすると、ダウンロード用ボタンが画面上に現れる)などを備え、「アバスト無料アンチウイルス」本体とも相まって、安全性・快適性・利便性をトータルで向上させてくれそうだ。
(福住 護)