Excel/Word/PowerPointのMicrosoft Officeは、もはやビジネスでは欠かすことができない。人によっては「毎日、一日中、Microsoft Officeを使って仕事をする」という方もいるだろう。そんなヘビーユーザにとって恐怖なのが、不意のクラッシュやアプリケーション終了時の操作ミスなどで、せっかく作成したデータが失われてしまうこと。最近のMicrosoft Officeには、クラッシュ時でもファイルを自動保存する機能や、クラッシュしないまでも、ある程度の編集を進めていった際に自動的にファイルを保存する「自動保存」機能が用意されている。しかし、標準の自動保存機能は、バックアップのタイミングをユーザが自由に設定できない上、「どこにファイルが保存されたのかわかりづらい」という欠点がある。実際、ファイルが失われた際に「自動保存があることを知らず、泣く泣くもう一度ファイルを作り直した」といった経験を持つ人も多いのではないだろうか。
「勝手にまもる君」は、まさにそうしたMicrosoft Officeのヘビーユーザにとって福音となるソフトだ。まず第一に、バックアップは一定周期で自動的に行われ、さらにユーザが実行タイミングを自由に設定することもできる。Microsoft Officeの標準機能のように「自動保存されたファイルを探し出したけれども、古すぎて使えなかった」などということもない。
バックアップとして複数世代を保持できる点も魅力だ。誤編集の際にも、数分前の状態から数十分前、設定を変えれば数日前までも遡ることができる。それだけディスク容量は必要となるが、その気になれば、数日前の状態のファイルを復元することだってできる。しかもバックアップ時には、比較的目立つポップアップメッセージで通知してくれるので、クラッシュの発生時に「呆然としてバックアップがあることを忘れてしまう」こともないだろう。
シンプルなソフトだが、仕事でMicrosoft Officeを使っている人にとっては、実に頼りがいのある効果的なプラグインだ。価格もそれほど高いものではない。「転ばぬ先の杖」として、ぜひお勧めしたい。
(高木 淳一)