開発の動機
「MATSUKAZE」シリーズ開発の最大の動機には、Windowsユーザすべてが経験してきた《動作遅延》という不条理があります。仮に、ハードウェアのパフォーマンスがダイレクトにユーザ体験に還元されるのであれば、ムーアの法則(18ヵ月スパンでCPU性能が2倍に向上する)が維持されてきた事実を鑑みれば、PC性能=Windowsの体感上のパフォーマンスは、2000年ごろと比較して2016年現在時点では1024〜2048倍に向上していることになります。が、一般ユーザの実際的な体感としては、《Windowsは購入後、暫く使用すると極端に遅くなる》という不条理がずっと継続しています。場合によっては、Windowsを買ったその日から《原因不明の絶不調》というケースもめずらしくなく、《ムーアの法則の恩恵を実感できない世界》に私たちは生きています。この世界の居心地は、お世辞にも快適とはいえず、ざっくばらんに言えば、正にトサカにくる環境であり、改善への試みは必然といえました。
開発過程
弊社のWindows安定・高速化ソフト「MATSUKAZE」シリーズの開発は、熾烈を極めました。というのも、ひと言で《Windowsの動作遅延》といっても、その原因は多種多様であり、顕在化した症状が同一でも、原因は異なるケースが多いため、個別の問題の切り分けから解決法の確立するために要求された試行プロセスは五桁に届いたからです。
さらに、ソフトウェア化に際しては、確立された手動での調整技法がさまざまな制限を受ける中で、自動化しつつプログラムとして実装する《離れ業》を余儀なくなれました。
結果、Windowsの《動作遅延》の原因を同定し、これを解決するコアメソッドの集積にはおよそ3年を要し、ブラッシュアップとソフトウェア化に2年、ソフトウェア化してからも継続されたアップデートの4年を加算すると、現行の最新バージョンに至るまで、実に9年の月日が投じられています。
「MATSUKAZE」の効果
「MATSUKAZE」シリーズには、下記の3種類があります。
●MATSUKAZE-TUNE
Windowsを通常利用するだけで、次第に蓄積してゆくWindows内部の不整合(エラーやバグ原因)を修正しつつ、ハードウェア構成にふさわしい動作設定での情報処理を行うよう最適化措置を施すことで、パフォーマンスの安定・高速化を行うTUNE機能を有する。
●MATSUKAZE-PROTECT
一般的なクライアント型セキュリティ対策ソフトウェアが侵入・浸透を許してしまう、アドウェア(広告偽装型ウイルス)やその他のグレーソフト(偽セキュリティソフトやメンテナンスソフト)による汚染を除去して、パフォーマンスの安定・高速化を行うPROTECT機能を有する。
●MATSUKAZE-PREMIUM
「TUNE」と「PROTECT」の双方の機能を有するフラッグシップソフト。現状、「MATSUKAZE-PREMIUM」で修正できない不具合が生じている個体については、OSの再インストール以外の解決方法はないという水準を目指してバージョンアップを続けていますが、この試みは、すでにゴールに近い地点に近づいているという認識です。現在は、例外的に《効果が出にくいケース》に対して、個別の解決メソッドをモジュール化して実装する段階に進んでいます。
((株)松風サービス)