東京大学教育学部での学びを通して、「人は周りの環境との相互作用※1で能力や行動スタイルを形成してゆく」という思いを持つようになりました。その後、ベネッセコーポレーション等で取り組んだ、子どものためのプログラミング言語「LOGO(ロゴ)※2の研究・開発で、その思いは確信に変わりました。- ※1:相互作用とは、相手(人や物)に対して働きかけ、それに対して、相手が反応し、さらにそれを受けて再度、活動を行うことです。
- ※2:LOGOは、心理学者ピアジェの研究にもとづき、MITのパパート博士によって開発されました。子ども自身が、図形描画等に関して自分の仮説をパソコンプログラムで表現し、その動作の結果を見て、図形の性質や国語の文法などを理解することができます。https://ja.wikipedia.org/wiki/LOGO
子どもたちは言語や、手や身体を動かす空間認識力、さまざまな活動の基本となる注意力や記憶力のような認知機能を、毎日の生活の活動(相互作用)を通して伸ばしてゆきます。ただし、その生活は一人ひとり異なっているために、多様な認知機能を伸ばすのに必要な相互作用が行われることは保証されません。そこで、遊びながら、子どもたちの認知機能の発達に必要な相互作用が自然に行われるようなゲーム集として、「こども脳機能バランサー プラス」(以下、CB)を開発したのです。CBは、言語(左脳)関連のゲームが4個、空間認識(右脳)関連のゲームが4個、注意や記憶、遂行機能(前頭前野)関係のゲームが4個、さらに総合的なゲームが1個、合計13のゲームで構成されています。ゲームは1回、1分から長くて数分で終わります。子どもの成績にもとづいて「適切にほめる」仕組みを随所に組み込んでいますから、お子さまは楽しみながら使い続けることができます。その取り組み結果は自動的に記録保存され、グラフで確認できますから、保護者や支援者の方はいつでもお子さまの認知機能の伸びとバランスを確認することができます。
明星大学心理学教室の竹内康二准教授はこの特徴に着目し、CBと国際標準の認知テスト、WISC-4との相関調査を実施しています。短期間で大きく変わることのある子どもの認知機能を、CBで手軽に、またリアルタイムに測ることができれば、お子さま一人ひとりに本当に適した環境調整が可能になります。
こうした、CBに関わる学びや発達障害等に関する情報をさまざまな形で提供しています。Facebookのページは5,800人の方にLikeをしていただいています。2週間に1回のメールマガジンは、メールでの配信(無料)以外にもバックナンバーをWebページで公開していますので、よろしければご覧ください。
Facebook 発達障害&知的障害コミュニティ:https://www.facebook.com/all4variety
メールマガジン レデックス通信:http://www.ledex.co.jp/mailmag
(レデックス認知研究所所長:五藤 博義)