実際に何種類かのファイルで試したところ、同じページ内の画像であっても、認識できるものとできないものとがあった。まだ発展の途上の感じもあるが、データ再利用の可能性を広げてくれるソフトだ。操作は、(1)PDFのページを選択し、(2)ページ内の個々の画像を選択する、という手順になるのだが、あるページで画像を選択したあとに、ほかのページへ切り替えた場合でも、選択した画像がクリアされるはことなく、そのまま。複数のページにわたって一括保存できるようになっている。サムネイルの表示サイズを変更することはできないが、サムネイル自体がかなり大きめなので、内容の確認はそう難しくない。
ちなみに、今回テストに使用したPDFファイルのひとつに、Excelの画面をキャプチャしたものをExcel文書に貼り付け、さらに矢印などのオブジェクトや説明文を書き加えたものを使用してみた(もちろんExcel文書からPDF化)。このファイルでのテストの結果、キャプチャ画像から引き出し線として描き加えた矢印は、それ自体が画像として認識され、保存することができた。
それに対して、キャプチャ画像に完全に重なるように描いた矩形や楕円などは画像として認識されることはなく、かといってキャプチャ画像と合成されるわけでもなく、無視されてしまった。また、貼り付けたキャプチャ画像はExcel上でドラッグしてサイズを調整しているが、保存された画像を見る限り、サイズ調整する前の大きさ(キャプチャ時点でのサイズ)になっていた。
筆者の行ったテストの結果を見る限りでは、PDF文書の見た目ではなく、貼り付けたキャプチャ画像そのものを取り出せるようで、画像を再利用する上ではかなり使いやすいのではないかと感じた。
(福住 護)