テキストデータを日付ごとに整理して、アイデアの蓄積や検索などに役立てようという“思考支援型”のソフト。単にタイムスタンプを記録して時系列順に一覧表示するといったものではなく、1日単位をグループ化して管理するところがユニークだ。おおまかなたとえでいうと「1日分のデータがひとつのファイルで、これを単位として保存や読み込みを行い、さらにファイル内に複数のアイテムが階層構造で記録されている」といった感じだろうか。日付を単位としてデータを開くため、ほかの日に書き込んだアイテムを表示するには日付を切り替えなければならない。つまり、すべてのアイテムを網羅的に一覧表示するといった使い方は想定されていないので、ここが使いこなしのポイントになりそうだ。
データを開くとき以外に、アイテムの新規作成や編集画面でも「参照」「検索」が可能で、これを利用すれば過去のアイテムをコピーして新規アイテムを作成することが可能だ。
「参照」は、前日に登録されたアイテムを自動的に表示してくれる機能。毎日行う定型業務の記録に便利だ(実際には、データが記録されていない日は無視されるので、「前日」ではなく、「編集する日付以前に記録された最後の日のアイテム」とでもいうのが正しい)。
一方「検索」は、文字列検索と期間指定を組み合わせて過去のアイテムを抽出できる機能。過去に記録したメモを探したり、同じ項目名のアイテムから時系列による内容の違いをチェックしたりといった使い方ができる。
こうした操作は基本的にアウトラインモードで行うため、付箋モードは「1日分のメモをすばやく記録するための入力編集ツール」と考えればよい。
マインドマップモードは、アイテムを俯瞰的に眺めながらいろいろ検討するのに適している。もちろん本家のマインドマップとは機能面での違いはあるが、各アイテムに詳細なテキストを入力できるので、文章の構成を練るような使い方には向いていそうだ。
マインドマップモードでの編集作業は、アイテムのテキスト編集と配置の移動、下位アイテムの展開・折りたたみといったものに限られる。ノードの接続先を変更するような階層構造の操作はアウトラインモードへ戻る必要があるので、この点が改善されると、より使いやすくなるのではないだろうか。
(福住 護)