「ある程度の機能はほしいが、細かい操作やパラメータ設定はやりたくない」という方にぴったりの画像編集ソフト。ブラシ系のツールは省かれているので、pixel単位の編集やフリーハンド描画といった加工はできない代わりに、画像全体での加工は得意。カラーバランスの調整、周辺減光の補正(Vignette)やトーンカーブの調整、ティルト/シフトによるミニチュア効果などを簡単に適用できる。特にシーンの選択によるカラー補正は簡単。曇天、日陰、夕暮れ、夜景といった14の場面(Noneまで含めれば15パターン)に応じて、ワンタッチで調整できる。デジタルカメラのシーンモードに慣れている人なら、すぐに理解できるはずだ。
アジャストツールではシャープネスや色温度、ハイライト/シャドウといったパラメータが登場するが、これも左右のスライダーを動かして画面上での変化を確認するだけなので簡単だ。
エフェクトやボーダーになると、サムネイルで効果やデザインの違いを確認した上での選択となる。エフェクトに関してはパラメータの調整も可能だが、どれもIntensityという名前のスライダーがひとつだけなので、コマンドごとにいろいろなパラメータ名を覚えなければならないといった煩わしさがない。
赤目補正ツールやヒストグラム表示はないが、そこにこだわらなければ、なかなか使いやすい。SNSとの連携も魅力のひとつ。「編集(Edit)」だけでなく、「コラージュ作成(Collage)」で作成した画像も簡単に共有できる。
(福住 護)