豊富なレタッチ機能やエフェクト(フィルタ加工)ツールを“できるだけ手軽に使えるように”という配慮がうかがわれる。なかでも特徴的なのはツールバーの使い方だろう。メニューバーのすぐ下に配置された各種ツールバーにはファイルのオープンや保存、印刷といったコマンドだけでなく、「1Click」「FX」「Task Assistant」といったボタンが並ぶ。これらのボタンは単独のツールではなく、用途に応じた機能を選ぶためのスタート地点の役割を果たす。
露出補正やホワイトバランスの調整といったベーシックなレタッチ機能は「1Click」ボタンにまとめられ、ドロップダウンメニューから選択できる。より特殊効果的な機能は「FX」ボタンからダイアログを呼び出したり、プロパティ設定パネルを使ったりして、プレビューで確認しながら加工することが可能。そして、画像の一部だけを修正するような細かい作業は「Task Assistance」を使って対話形式に操作できるといった具合だ。
このため、赤目補正やクローンブラシといった個々の描画ツールの使い方をあまり知らない人でも、「こういう作業がしたい」という目的さえあれば、これらのボタンを経由することで作業を進められるようになっている。
初心者にとって特に使用頻度の高そうな機能やとりあえず手軽に使いたい機能はだいたい「Task Assistance」から選べるし、機能に慣れてくれば、個別のツールやオプション用のパラメータを駆使して作業することももちろん可能だ。
フィルタ系のコマンドがかなり充実しているし、選択範囲をもとに画像の一部をオブジェクト化しておき、さらにそこからの変形や回転、あるいは別の画像へのコピー&ペースト(ビットマップではなくオブジェクトとして貼り付ける)といった操作も可能。アイデアとテクニック次第でかなり凝った作品作りもできそうだ。
(福住 護)