イラスト描画用のアプリケーションには直線や曲線、多角形など、さまざまな図形を組み合わせて描く「ドロー系」と、絵筆やエアブラシなどの画材を模したペン先を使い、pixel単位で画像を描く「ペイント系」とがある。「openCanvas 6」はペイント系のソフトだが、ペイント系の中でもとりわけ高機能な部類に属する。より自由度の高い作画が可能なのは、pixel単位ですべての色や配置をコントロールできるペイント系のソフトだ。しかし、自由度の高さゆえ、ペイント系ソフトでは「メモリを大量に消費する」という欠点がある。作画対象の画像に含まれるすべてのpixelの情報を保持する必要があるためだ。レイヤ機能を搭載するペイントソフトではなおさらだ。
大量のメモリを利用するアプリケーションの場合、64bitネイティブ対応のメリットは非常に大きい。最近のパソコンでは8GBや16GB、あるいはそれ以上のメインメモリを搭載することも少なくないが、Windowsでは32bitアプリケーションが利用できるメモリ量は1アプリあたり最大でも3GBにすぎない。一方で64bit対応であれば、事実上利用できるメモリ量に制限はなく、パソコンに搭載された容量の許す限りのメモリを利用できる。
今回「openCanvas 6」が64bitにネイティブ対応を果たしたことは極めて大きい。実際に64bit OS上で使ってみれば、従来との違いにすぐに気づくはず。もちろん32bit OS上でも動作はするが、ぜひとも64bit Windowsで試していただきたい。
(天野 司)