現在、Windowsのアクセサリとして付属している「サウンド レコーダー」はボタンのクリックで録音の開始と停止を行うだけの極めてシンプルなものだが、Windows XPの頃まではいかにもオーディオ機器(平たくいえばテープデッキ)風のボタンを備えた、再生コントロールが可能なアプリケーションだった。オーディオメディアのデジタルファイル化が進み「巻き戻し」「早送り」といった用語が死語になってゆくのに歩調を合わせ、現在のインタフェースに変化したのだろう。しかし、単に録音するだけでは、編集が必要になった際に別のアプリケーションを用意しなければならない。機能はプリミティブでも、最低限の加工ができるという点でXP以前の「サウンド レコーダー」は便利だった。
「Re:Sound - 帰ってきた サウンド レコーダー」は、そんな「サウンド レコーダー」を現在に蘇らせたものだ。外観はまさに往年の「サウンド レコーダー」そのもので、タイトルバーを見ないと見分けがつかない。もちろん使い方もほとんど同じだ。
外観以外の特徴としては、ファイル形式がこれも昔ながらのWAVとなっている。現在のWMAと異なり、圧縮がかからないのでファイルサイズは大きくなってしまうが、広く使われてきた形式だけに、過去のデータも含めたライブラリ管理ではWAVの方が便利といった面もあるかもしれない(Windows 8でもシステムサウンドはいまだにWAV形式のようだし)。
現行の「サウンド レコーダー」とペアで揃えておき、用途に応じ使い分けるとよいのではないだろうか。
(福住 護)