ソフトを開発しようと思った動機、背景
株式会社KeyLemonは、2008年にスイスのマルティニーで設立されました。「Idiap」というスイスの特別な研究所があり、100名以上の研究者が顔認証や音声認証など、機械学習※1を専門に研究しています。「KeyLemon」は、この研究所から生まれました。- ※1 機械学習とは、人工知能における研究課題のひとつ。人間が持っている学習能力を人工知能で実現するための研究。
パソコンを利用していて、席を離れるといった場面がよくあると思います。この際、多くの人は他人にパソコン画面を見られたくないと思うでしょう。そこで「シンプルかつ安全にコンピュータをロックすることができればよいのでは」という理由から、デスクトップ用の顔認証アプリケーションが開発されました。パスワードを覚えたり、入力したりしなくても、安全かつ簡単にプライバシーを守れるようにすることが「KeyLemon」の目的です。開発中に苦労した点
はじめてデスクトップ用のアプリケーションを作成してから5年が経ちました。その間、開発を積み重ね、改良し、現在のバージョンに至りました。生体認証は本質的に環境変化の影響を受けます。例えば、指紋認証は指が汚れていたり、濡れていたりすると認証がうまくいかなくなります。顔認証の場合は照明環境です。
「KeyLemon」はこれを完全に克服したわけではありませんが、影響が最小限になるように改良を重ねてきました。「KeyLemon Gold(製品版)」では、異なる照明環境で顔写真を保存し、データベースを作成することで、さまざまな照明環境に対応することができます。
ユーザにお勧めする使い方
三つから五つの異なる環境で顔写真を撮影してください。顔認証の速度と精度の両方が高まります。例えば、同じパソコンを家庭と職場の両方で使う場合、それぞれの環境で撮影してください。また、電気照明の環境と直射日光の環境でも撮影することをお勧めします。
そのほかには、情報の機密性に応じてセキュリティレベルを調整することができます。基本的には中間のセキュリティレベルを推奨します。また、写真を使って不正アクセスしようとする者もいるので、まばたきを必要とする設定もできます。さらに、他者が勝手にアクセスしようとすると顔写真を撮影する機能もあり、証拠をつかむこともできます。
今後のバージョンアップ予定
さまざまな機能の追加や改善を考えていますが、まず、Microsoft Active Directory(AD)へのネイティブサポートが挙げられます。企業など、多くのユーザが異なるパソコンからサーバにアクセスする環境で求められます。
KeyLemonには顔認証と音声認証の両方の技術がありますが、両方を備えた新製品を考えています。ユーザはどちらを使用するか選択することができ、また、両方を併用することもできます。この音声認証は言語や実際に発声する内容とは関係ありません。2014年年末から2015年年初あたりのリリースを計画しています。
(KeyLemon S.A.)