家族構成を、カード形式の個人データを並べたようなレイアウトでわかりやすく表示してくれるソフト。膨大な個人情報の中から重要な氏名や生年月日といったものをピックアップして自動的にレイアウトしてくれるが、特に本人および配偶者は詳細なデータを表示し、関係が離れるほど表示が簡略化されるので、特定の人物を中心とした関係がわかりやすくなっている。説明の便宜上、本文では「家族を登録する」という形で紹介しているが、実際には直接の家族ではない人物も登録できる。ある人物とほかの人物の関連を登録することができたり、写真にマークをつけて人物を特定しやすくしたりといった工夫もされている。
例えば、国際会議のような場で撮った集合写真でも、このような機能を使うことで「どんな人物が出席していたか」といったことが一目瞭然。使い方次第では家族関係といった狭い範囲に限らず、「現代社会を動かす重要人物相関図」のようなものも作れるかもしれない。
また、ひとりの人物に対して複数の写真や動画を登録できる(実際には、個人情報とメディアファイルは独立して管理されていて、関連性を設定する)ので、個人の成長や業績をたどることも可能。プロジェクトデータを数世代にわたって記録してゆけば、ちょっとした歴史資料になるだろう。
マップ機能を使えば、海外に移住している親族の住所を確認できるし、数世代にわたる移民がどのように行われてきたかといったこともわかる。
サンプルとして、ジョン・F・ケネディ一族と縁者計95人のデータが収められたプロジェクトデータが付属する。まずはこのデータで基本的な機能と使い方を学ぶとよい。
Ver.7では日本語のサポートが追加され、ユーザインタフェースが日本語表記に対応したほか、データもUnicode対応となったことで実用的になった。Webサービスとのデータ同期が双方向になったことで、データの収集や現地での確認にはスマートフォンやタブレットを利用できるのも便利。「歴史上の英雄、偉人の足跡を尋ねて旅をする」といった楽しみにも使えそうだ。
(福住 護)