ユーザにお勧めする使い方
「Windows8レスキューキット」には二つの使い方があります。選択して使ってください。- 信頼性を優先し、ビジネスで安心して使えるようにする
- Windows 8ならではの高速スタートアップを活用し、問題となる副作用を回避する
初めて使う人はまず、「1.」の方針で使い、安定して使えることを確認の上、「2.」をご検討ください。今後のバージョンアップ予定
今後のバージョンアップでは、大きく三点の改善を考えています。
(1)USBの充電問題の解決
Windows 8はUSBの仕様を厳密に守るようになりました。この結果、充電できない機器が出てきました。これは毀誉褒貶難しい問題です。
パソコン本体に無理な負担がなくなり、故障の心配が減るメリットがあります。しかし、パソコン本体が給電能力に余裕を持たせる工夫ができないデメリットがあります。実際問題、USBから電源供給を受けるポータブルハードディスクは不具合が起きるリスクがあります。USBの給電を仕様通り厳密に守るか従来通りとするかのスイッチを付ける計画をしています。
(2)ネットワーク系のアシスト
Windows 8のメジャーなストレスとして「ネットワークへの接続が思うようにいかない」ということがあります。特にXP、Vista、7という従来のOSと家庭内LAN、SOHO内LANで混在環境で出やすいようです。
これは障害ではなく、設定の方針が変わったという性質ですが、ライトユーザには対応が難しいです。ぜひ、ストレスなく対処できるよう工夫したいと思っています。
(3)ブルースクリーンエラー 0x19が出るパソコンの改善
Windows 8/8.1を導入したパソコンでブルースクリーンエラー 0x19が出て困っている利用者が案外多いと思います。
この問題は、簡易には高速スタートアップを停止すれば回避できるはずです。高速スタートアップ状態において安定して使用できるよう、問題の発生する構成のパソコンを事前にチェックし、問題となるソフト(ドライバ)を検出して、事前にアンインストール、更新して症状が出ないようにする工夫を計画しています。
開発中に苦労した点
ひと言でいえば、ジレンマとの戦いです。Windows 8/8.1らしさを切り捨てれば非常に簡単です。あまり工夫の余地がありません。ただし、Windows 8/8.1の機能を生かしながらとなると、工夫のしがいがあるのですが、機構が複雑になり、それは信頼性を損ねることになり、問題解決のつもりが新たなる問題の原因となります。まさに矛盾となります。
これは今後のバージョンアップの方向性と関係するのですが、現在はウィザード形式による半オートマチックです。新機能を盛り込み、市場実績を経てフルオートへとロードマップを描き、最終的には「ビジネス設定」「高速スタートアップ優先設定」の二つのボタンのどちらかを押せばよいように目指そうと考えています。
ソフトを開発しようと思った動機、背景
「Windows8レスキューキット」はもともと、弊社製品高速化ソフト「プチフリバスター」のWindows 8での検証からはじまりました。当時はWindows 8の出荷開始を2ヵ月後に控え、Windows 8における動作検証のつもりでした。マイクロソフトの配布するWindows 8のβテスト版において、いわゆる「スタートボタン消失」問題から開発がはじまりました。
Windows 8のあまりの操作性の問題に頭を抱えたことが発端でした。「スタートボタン消失」は当初、オリジナルのスタートボタンを作って問題を解決しようとしたのですが、幸い英国のIbo氏の作成したオープンソースのフリーウェア「Classic Shell」の完成度が高く、「Classic Shell」の日本への紹介に徹することにしました。自社製品の研究開発、改良という本業があることから、弊社のオリジナリティはここに集約し、「Classic Shell」は機械的に対処できる日本語化に徹し、広く問題を解決することにしました。
当時はこれでよいだろうと思っていたのですが、2013年末から気のせいか、弊社製品のテクニカルサポートが増大しはじめました。どれも弊社製品のサポートではなく、厳密にはWindows 8固有の問題と思われ、問題視していなかったのですが、体感的に9割がWindows 8/8.1系のサポートでした。
これが「Windows8レスキューキット」のパッケージ化のはじまりです。Windows 8が安定して動けばよいと漫然と思っていました。道具として使えるよう安定化すればよい。ただ出荷を開始してから、安定している上で、使いやすく、本来のWindows 8の性能を生かせるようにと方針が変わってきています。
((有)電机本舗)