ファイルを検索する場合に最も単純なのは、実行のたびにストレージ内をチェックすることだが、さすがにそれでは時間がかかってしまうので、多くの場合は検索専用のチェックリストに相当するファイルをあらかじめ作成しておき、その中を探す。これがインデックスファイルと呼ばれるものだが、ファイルの中を探すのでは最終的にはドライブのアクセス速度などが足かせになり、速度の向上が難しい。一方、各ドライブにはもともとファイルを管理するための台帳(MFT:Master File Table)が記録されているのだから、「MFTを先にメインメモリに読み込み、その中を探せばディスクアクセスに比べて格段にスピードアップする」というのが「MasterSeeker」の基本的な理屈だ。
当然のことながら起動時にまずMFTを読み込む必要があるので、そこでちょっとだけ待たなければならないわけだが、せいぜい一日一回パソコンの起動時に読み込む程度だろうから、特に気になるほどのものではない。
一度起動してしまえば、あとは電光石火。インクリメンタルサーチに対応しており、ファイル名がうろ覚えでも、数文字入力すれば候補がどんどん絞り込まれてゆく。ファイル名の入力とは別にフォルダ名の入力も可能なので、特定のフォルダの中だけから探すのも簡単だ。
気になるのはメモリ消費だが、これはごくわずかなもので、パソコンのパフォーマンスに影響するようなことはなさそうだ。検索頻度の高い人なら、スタートアップに登録して、どんどん活用したい。
(福住 護)