画面デザインがシンプルで、あまり“アプリケーション然”としていないのが印象的。おなじみのメニューバーやツールバーはなく、その代わりに、テキストのボタンとシンプルな線画のアイコンでクリーンにまとめられており、なんとなく「ブラウザ上で動作するWebアプリケーション」っぽい印象を受けた。機能もシンプルだ。ファイル単位での指定はなく、フィルタは拡張子の指定のみ。その代わりに、といってはヘンだが、コピーしたくないものがあれば、プレビュー画面上でチェックボックスを外すことで対応できる。
つまり、基本的な性格としては「大量のファイルをどっさりまとめてコピーするのではなく、本当に重要なドキュメントだけをバックアップする」ためのソフトと考えてよさそうだ。
ただし、使い方次第では結構、応用も利く。バックアップ処理はジョブリストを対象に実行されるが、「リスト」という名前の通り、複数のバックアップ設定(ジョブ)を登録できる。これを利用すれば、複数のフォルダをひとつのバックアップ先にまとめることも、逆にひとつのフォルダを異なる複数のバックアップ先にコピーすることも可能だ。
実際にコピーを行うかどうかやバックアップのモードは、そのつどジョブ単位で選択できるし、ジョブリストの使い分けによってもバリエーションが増える。
ドライブ全体のコピーや世代管理、スケジュール設定による自動バックアップといった機能が不要(ただし、MetroBackUp_Console.exeを利用すれば、スケジュール実行も可能)で、むしろ「日常的なファイルコピー作業を簡略化したい」という方にはかなり使い勝手がよいのではないだろうか。
(福住 護)