クラウドストレージを利用した、手軽なバックアップソフトとして使えるほか、複数のユーザが同じサーバを利用して、手軽にファイルを共有するのにも便利なソフト。「雲隠」機能は、ローカルマシン上のファイル占有サイズを抑えるだけでなく、モバイルマシンの盗難などに備えたセキュリティ面での効果もありそうだ。「入雲」「出雲」というコマンド名はユニークだが、「クラウドに置いておく」「クラウドから取り出す」という意味ではわかりやすい。
処理を行うタイミングはやや複雑かもしれない。単にローカル側の対象フォルダを定期的に監視して、リモートへ転送するわけではなく、複数のファイルが更新された場合は即座に処理を行い、もし指定間隔以内にローカル側の変更がなければ、リモート→ローカルへの転送を行うようになっている。普段はあまり気にする必要はなさそうだが、複数ユーザでのファイル共有に使いたい場合は念のため、頭に入れておくとよいだろう。
監視対象フォルダごとに同期の間隔を変更できるほか、「ウォッチャー」のON/OFF切り替えや「ウォッチャー」の自動開始といった指定も可能。同期中のメッセージ(タスクトレイのバルーン)がわずらわしい場合は、これらの設定を適宜カスタマイズしたり、マニュアル操作にしたりしてもよい。例えば「週に一回」といった長いスパンでの同期でよければ、スケジュール作成機能でタスクスケジューラに実行予定を登録するのもよい。
短いスパンでの頻繁なバックアップ、定期スケジュールでのWebサイト更新、複数ユーザ間でのファイル共有など、用途に応じてさまざまな使い方ができる。
(福住 護)