ソフトを開発しようと思った動機、背景
関門海峡の門司港に帆船「日本丸」が訪れたとき、岸壁で開かれていたバザーで、中古の「タイガー計算器」を手に入れました。もちろん手動の歯車式計算機です。何度か使ったあと、大切に倉庫に保管していました。ところがある日、久し振りに計算機を使いたくなったので、倉庫に行ってみたところ、見当たりませんでした。妻にそのことを問いただすと、妻いわく「屑鉄として、リサイクルに出したよ」とのこと。わたしは、妻との価値観の相違に、心の中で、涙を流しました。私はそこでひらめきました。「この際、失ったハードの歯車式計算機をソフトとして甦らせば、いかに妻であろうとも、手が出せないだろう」と。
今回は、過去のよき日のノスタルジーに浸りながら、昭和の思い出の良品をソフトウェアに再現してみました。多少、創作したところはございますが、ベースは実物のハードウェアを参考にしています。
開発中に苦労した点
ハードの歯車式計算機では、計算結果の小数点を、自分自身で設定する必要があります。これは結構、煩わしいことです。そこで、ソフトの歯車式計算機では、この小数点設定を自動的に設定できるようにしようと決めました。計算式によっては、計算結果の小数点位置が表示範囲外に外れてしまったり、また、少数点以下をもう少し多く求めたい等の事象が生じたりしましたが、これを「シフト」ボタンを設けることで解決しました。
ユーザにお勧めする使い方
電卓全盛の現代では正直、実用には供さないと思います。このことを前提にした上での使い方としては、
- メカマニア・ユーザには、デスクトップのマスコットとして、
- 小学生のみなさんには、算数の計算の考え方説明用の教材として、
- 時間のたっぷりある方には、実用計算機として、
お使いいただければと思います。使い方は一応、ヘルプに記載していますが、これはあくまで説明用の計算方法です。各自、ご自分に合った使い方を発見してください。なお、効率的は使い方のポイントは「いかに少ないハンドル回転数で、計算結果を求めるか」だと思います。
算盤や電卓との機能の違いを比較しながら使っていただき、昭和のよき時代に思いを馳せていただければ、作者の本望というところです。
(あんやん)