「3DマイホームデザイナーPRO8」は、工務店や設計事務所といった「プロ用途向け」のソフトだ。一般の方であれば、家を建てるのはせいぜい一生に一度あるかどうかだろうが、これがプロともなると話は違ってくる。一日中設計業務を行うことだってあるだろうし、複数の施主に対する設計を同時進行することも決してめずらしくはないだろう。時間を気にせず、納得がゆくまでソフトの操作自体を楽しめる一般ユーザと異なり、業務で使う道具ともなれば、作業効率は重要な問題。ひとつの物件に対して複数の設計提案を行ったり、広さは同じだが、形状の異なる土地に対して、同じ住設を使って家を建てたりなど、似たような設計を使う機会も多くなるはずだ。
そうした使い方を考えると、新バージョン「8」の大きな特徴である、複数起動や操作性の向上といったソフトウェアの“基礎体力”を強化してきた点は、かなり的確な改善といってよいのではないだろうか。同じことをするのでも、より短時間で済むかどうかは業務ユーザにとっては大きな問題だ。筆者は建築・設計については門外漢だが、そうした「業務ソフトの勘所」は分野を問わず、共通であるように思う。
実際、画面の情報が豊富になったためか、短時間触っただけでも操作はわかりやすく感じる。レンダリング画像の美しさなど、操作していて興味を引かれる部分も多く、お客さまを相手にするためのソフトとして、なかなか魅力的に思えた。
(天野 司)