個人向けのセキュリティ対策ソフトでは、アンチウイルスをベースにファイアウォール、アンチフィッシング、有害サイトのブロック、アンチスパムといった機能を組み合わせるのが長らく定番となっている。「ESET セキュリティ ソフトウェア」シリーズでも基本的な構成は同じだが、そんな中でひときわ目立つ、ユニークな機能が「アンチセフト(盗難対策)」だ。ここではこの機能について、少し突っ込んで補足しておこう。
「アンチセフト」を利用するには、あらかじめ専用サイト(ESET アンチセフト)にアカウントを作成し、自分が使用しているパソコンを登録しておく必要がある。
以降の操作は、登録したアカウントでログオンして行う(サイトへのアクセスは、「ESET」上からも行える)ので、仮に1台しか持っていないモバイルパソコンを失くしてしまったとしても、情報登録さえ済ませておけば、友人や会社のマシンを借りて操作することが可能だ。
ログオンすると、登録済みの自分のパソコン名が表示される。この中で「紛失中」に設定したパソコンは、強制的に再起動され、架空のアカウントで自動ログオンするようになっている。
「紛失中」にセットされたパソコンは、ファイル/フォルダへのアクセス権限が停止され、その変更もできない。重要な情報が盗み出されることを防げるのが第一のメリットだ。
「アンチセフト」は、紛失場所の特定や、現在パソコンがどこにあるかを知るのにも役立つ。アクティビティ監視機能が自動的に送信するスクリーンショットや、内蔵Webカメラの撮影画像をチェックできるのに加え、Googleマップでの位置情報確認やIPアドレスの表示、電子メールでの自動通知といった機能もあり、「失くしたパソコンがいまどこでどんな状態にあるか」の具体的な手掛かりを得ることができる。
逆に、ブラウザ上から紛失中のパソコン宛てにメッセージを送る(デスクトップにテキストが表示される)機能もあり、窃盗犯への警告や発見者へのお願いなどに利用できる。
一般的な使い方として、盗難や紛失の可能性が高いモバイルパソコンを登録しておくことになるだろうが、それ以外にも例えば、自宅に侵入者の気配があるとき、外出先からチェックするといった使い方もできそうだ。
(福住 護)