戦闘は難しくもなく、やさしくもなく、非常にバランスがよい。最初は、エンカウント率が高くて少々難しい気がしたが、レベルの上がり方が早く、金がたまりやすいので、序盤からそこそこの武器や防具を揃えることができる。レベルが上がるにつれて、使えるスキルも増えるので、攻撃方法にバリエーションの幅が出て、戦っていて飽きることはない。よく考えられたストレスフリーなシステムだ。「七つの時代を冒険する」という設定もユニークで、なおかつそれぞれの時代でのエピソードが非常におもしろかった。「タイムパーティー」では、各時代に連れてゆける仲間は一人(双子のナラ&アスカのみ二人)となっているが、複数ではなく、一人に絞ったことで、より各キャラクタが深く描かれているように感じた。クラスメイトそれぞれが個性的で、一緒に旅をしていて、とても楽しかった。
個人的には、ゲームのところどころに時事ネタが仕込まれているのがおもしろかった。「おワンコクラブ」「AET48」「銀たま乱太郎」など、元ネタを知っていたら思わずニヤリとしてしまうエピソードが登場するので、その点にも注目してほしい。
総プレイ時間は約10時間。長編の部類に入るが、長さがまったく気にならないくらいおもしろい作品だ。むしろ、もっとプレイしていたいと思ったくらいだ。ゲームを進めてゆく中でさまざまな謎が登場し、それらが徐々に解明されてゆく過程は、非常に読み応えがあった。シナリオ、キャラクタ、システムと、すべてにおいてクォリティが高い。
RPG好きの方はもちろん、タイムスリップを題材にした物語が好きな人にもぜひプレイしていただきたい。そして、さまざまな謎を解き明かしてほしい。
(早川 陽子)