データを整理するためのメイン画面と、それを支えるためのクリップボード履歴という二つの機能をうまく融合させたソフト。常駐型の利点を活かして履歴を常に記録し、特に重要なものは、簡単な操作で「ブック」に登録することが可能。クリップボード経由でデータを収集している人にとっては、とても使いやすい。
アウトラインプロセッサといえば、基本的にはテキストデータのみを扱うものが多いが、「ClipData Book」ではそれ以外に画像やWebページ(HTML)を登録できるのも大きなメリットだ。
履歴や定型文の貼り付けソフトとしてもなかなか優れている。小窓をアプリケーションと連携させることで、特定のアプリケーションでの作業時にのみ履歴機能を使うことができるし、サブウィンドウのみではあるが、イメージ履歴機能を利用できる点も見逃せない。
使いこなし次第では、アイデアのメモや整理といった枠を超えて、文書作成全般に活躍してくれることだろう。
あえて個人的な要望を挙げさせてもらうと、せっかく「ブック」に登録したアイテムを再利用するときのプロセスにもうひと工夫ほしい気がする。現状の仕様だと、アイテム内の文字列をビューアで選択しておいてから、コピー→履歴機能で貼り付けという操作になるようだが、これが、アイテムを選択した状態でいきなりコピーできるようになると、さらに便利になるのではないだろうか。データの収集・整理の場所としてだけでなく、再利用するためのデータソースとしての使い勝手が向上すると思うのだが、いかがだろう。
(福住 護)