「Firefox」はとてもよくできたブラウザだが、その中でよく指摘されるのが「起動が遅い」ということ。Firefoxを起動したつもりが何の反応もないので、もう一度起動操作をしても変化がない。が、しばらく経ってからFirefoxのウィンドウが二つ開いた、などということは、Firefoxユーザの多くが経験しているのではないだろうか。この問題を解決したのが「Pale Moon」だ。解決の方法は「Windowsに最適化する」というもので、これにより、Firefoxの持つマルチプラットフォームというメリットは失うことになった。もっとも、Windowsだけを使っているユーザにとって、マルチプラットフォームであることは特にメリットというわけではなく、Windows専用でもより使いやすい方がはるかにありがたい。その点、とても意義のある改変だといえる。
さて、「Pale Moon」の使用感だが、起動速度を除けば、そのままFirefoxと考えてよい。メインメニューボタンが「Firefox」でなく「Pale Moon」になったくらいしか、違いが感じられない。アドオンについては一部、「Pale Moon」ではうまく動作しないものがあるという報告もあるようだが、筆者の環境では確認できなかった。Firefoxの起動に不満を感じている人は、ぜひとも試してほしいソフトだ。
(土屋 佳彦)