ダンジョン探索型の短編RPG。「時が止まってしまった人間の世界を元に戻すため、針の欠片を集めて回る」という設定。針の欠片を手に入れるたびに甦ってくる少女の悲しい記憶が物語を彩る。無口な少女「ティスカ」は、針の欠片を集めるため、時の止まった世界の探索を決意する
「停滞少女」は、すべての時が止まった世界の中で、少女が悲しい自分の過去をひとつずつ甦らせてゆく、ちょっとシリアスなテーマのダンジョン探索型RPG。「命の大地」に散らばった「針の欠片」を集めて、人間世界の時間を取り戻すことが目的。
ゲームの主人公は「アリス」という名の少女。アリスが住む「時計の国」の「闇人の町」にはその名の通り、闇人と呼ばれる、姿を失った影のような者たちが住む。闇人の町には過去も未来も存在せず、人間の世界=「命の大地」をひたすら見守るだけ。町には人間がアリスと「ティスカ」という少年の二人だけしかいなかった(ファースデール精神病院の待合室にも人影があるが、どうやら人間ではないらしい)。
ところがある日突然、ティスカが管理者を務める大時計の針が消えてしまう。針がないと時計は動かず、大時計が管理する命の大地の時間も完全に停止してしまう。元に戻すには、大時計の基盤を修理するとともに、命の大地に散らばった「針の欠片」を集めなくてはならない。しかしティスカは、基盤の修理が終わるまで時計の前から動くことができない。状況を知ったアリスは、危険だからと止めるティスカの言葉を聞かず、命の大地での針の欠片探しを決意する……。
操作はキーボードで行う。カーソルキーでアリスの移動、【Z】/【Enter】でキー対象を調べたり、話しかけたりできる。【Esc】はメニューの表示。【Z】を押しながらカーソルキーを押すことで、アリスを走らせることも可能だ。
戦闘で獲得した「Force」を割り振り、アリスのパラメータを成長させよう
プレイヤーはアリスを操作し、時計の国にある「命の大地につながる五つの扉」からそれぞれの場所に行き、敵と戦いながら探索を行う。各場所の最強の敵を倒すことで、針の欠片をひとつずつ入手できる仕組み。扉に入る順番は特に決められておらず、好きな順番でチャレンジできる。複数の扉を行ったり、来たりすることも可能だ(ストーリーをより深く理解するには、右の扉から順番に攻略してゆくの方がよいだろう)。
ユニークなのは、時が止まっているため、町の住人たちに話しかけられないこと。家の中の家財道具などの調査も同様だ。その代わり、町に遊びに来ている闇人たちとは話ができる。赤い闇人とは戦うこともでき、勝つとアイテムを入手できるようになっている。
敵となるのは、時の止まった世界に出現する不純物で、「時の傷痕」と呼ばれるモンスター。町などを歩いていると、ランダムエンカウントで戦闘となる。エンカウント率は比較的低い。経験値による自動的なレベルアップはないが、戦闘などで獲得した「Force」を割り振って、LP(耐久)、PSY(威力)、AGL(敏捷)の各パラメータを自由に成長させることが可能だ。
装備する装飾品と5種類のスキルの選択が戦闘の勝敗を決する
ランダムエンカウントのモンスターとは別に、各マップ上に存在する3種類の歯車を破壊することでも、時の傷痕との戦闘が発生する。歯車の中で最重要なのは「朱の歯車」。飛び散った針の力で時の傷痕を生み出し続ける、いわば魔物の巣。この歯車を破壊し、出現した最強の敵との戦闘に勝利すると、針の欠片を入手でき、ダンジョンのクリアとなる。ただし、朱の状態のときは壊すことができない。朱の歯車を壊すためには、ダンジョン内の「碧の歯車」を破壊して回らなくてはならない。マップ上に存在する碧の歯車をすべて破壊すると、朱の歯車が碧くなって破壊できるようになる(翠の歯車は、無視しても問題はないが、壊すとアイテムやForceを獲得できるので、極力壊すようにした方がよい)。
戦闘は1対1のサイドビュー形式で行われる。戦闘に使用するスキルや回復アイテムなどは事前に装備しておく必要がある。装備できるのは、装飾品が1種類と装備アイテム(攻撃・回復スキルおよび回復アイテム)が5種類。自分のターンになったとき、セットされた装備アイテムのうち、ひとつを選んで発動させることで、攻撃および回復を行える。スキルにはEC(Emotion Crystal)を一定数必要とするものもある。ECは、1ターンにつき1個がたまるパラメータで、消費することで回復スキルや強力な攻撃スキルを発動できる。
戦闘によるダメージでアリスのLPが0になると、強制的に時計の国に戻されるが、それ以外のペナルティはない。