精霊たちが暮らす精霊界の異常を探るため、人間の姿になった花の精霊がさまざまな冒険をするダンジョン探索型RPG。フルポリゴンで描かれたグラフィックが美しい。大切な精霊界を守るため、花の精霊が冒険に旅立つ
「Flower tales 儚き勇者と夜の爪痕」は、精霊たちが暮らす精霊界と人間界とを舞台にしたファンタジーRPG。精霊の姿や人間界の村の様子が、美しいフル3Dグラフィックで表現される。
ゲームの主人公は、花の精霊「フレール」。フレールが暮らす花の精霊界では、風がまったく吹かず、花の種子が飛ばないため、花の数がどんどん減るという事態に陥っていた。その影響で、「花の精霊王」の体は小さくなり、魔力も弱まっていた。ある日フレールは「風の精霊界に行って、様子を見てきてほしい」と頼まれる。風の精霊界への入り口は人間界にある。フレールは人間の少女の姿に変身し、人間界へと向かった。
人間界の「風の村」に降り立ったフレールは早速、村人に聞き込みをはじめる。村長の「サマルサ」によると、風の神を祀っていた「風の祠」から怪物が現れるようになったらしい。風の精霊界と風の祠が関係しているのではないかと考えたフレールは、村の南西にある風の祠へ向かう。
祠を進んでゆくと、そこには「風の精霊」がいた。風の精霊は、助けを求めて風の精霊界から人間界へやって来たという。風の精霊界では、精霊たちがいくら風を作っても夜の帳が遮断してしまい、いまでは日の光が届かない暗闇の世界になっていた。さらに風の精霊界へ行く入り口も塞がれ、完全に孤立した状態。その影響は人間界にも出ていて、風の村の人々は不可解な悪夢に夜な夜な悩まされていた。
風の精霊とともに風の祠を出たフレールは、花の精霊界への入り口が封印されてしまったことを知る。封印した者は夜の精霊と名乗り、風の精霊界に夜の帳を張りめぐらせた張本人だった。夜の精霊の次なる目的は、木の精霊界を封印すること。フレールは木の精霊たちに協力と知恵を求めるため、木の精霊界へと向かう……。
戦術性の高いバトルを楽しめる
基本操作はカーソルキーで移動、【Z】で決定/調べる/話しかける、【X】でメニューのオープン/キャンセル/スキップ、【C】でダッシュとなっている。バトルはシンボルエンカウント形式で、敵シンボルに接触すると戦闘がはじまる。戦闘はターン性で進行する。設定で「戦闘ナビ」を「あり」にすると、戦闘中にコマンドの説明が表示されるようになる。
戦闘で特徴的なのが、「主行動」と「追撃」とを組み合わせて闘う点。敵が強い場合、主行動で防御、追撃で攻撃にすれば、相手のHP(体力)をじわじわと削ることができる。単体の敵を一気に押し切りたい場合は、どちらも攻撃にすれば、連続で攻撃を加えることが可能。攻撃方法は、物理攻撃の「攻撃」と、SP(スキルポイント)を消費して行う「特技」の2種類。特技には、「フレア」などの攻撃系スキル以外に、「キュア」などの回復系スキルも存在する。
「戦術」コマンドでは「分散攻撃」「集中攻撃」のいずれかを選ぶ必要がある。集中攻撃は、主行動と追撃をひとまとめにし、攻撃力を高める。分散攻撃は、敵を倒したときの余力を、他の敵に分散させる。敵が単体のときは集中攻撃が有効。敵が複数の場合は──相手の戦力および残りHPを見極めた上で──分散攻撃を選ぶと効率がよい。
フレールのHPが尽きてゲームオーバーになると、「這い上がる」か「さようなら」のどちらかを選ぶことになる。「さようなら」はタイトル画面に戻り、以前セーブした場所からのやり直し。「這い上がる」では、戦いに負けるまでにためた経験値やアイテムなどをすべて引き継いだ上で、安全な場所から復活できるが、所持金は減ってしまう。セーブは戦闘中以外であれば、どこでも行える。