短編の伝奇アドベンチャーゲーム。少女誘拐未遂事件から端を発した事件に、青年が巻き込まれてゆく。誘拐未遂事件にヤクザの惨殺事件。その根底にある真実とは?
「Rain ballad 虹色のロマネスク」は、“人間同士のふれあい”をテーマにした、ハートフルな伝奇ノベルアドベンチャーゲーム。主人公は、裏社会ではかなり名の知られた「なんでも屋“満月亭”」を営む「鳥羽満月(とば・みつき)」。日本でも有数の大企業である華城グループの総裁「華城至大(はなしろ・しだい)」から仕事を依頼されていた。依頼内容は、至大の娘である女子高生「姫子」を数週間だけ尾行するというもの。ただ尾行すればよいだけの仕事だと気楽に構えていた満月だったが、次第に姫子が複数の人間から狙われていることに気づく。
そんなある日、姫子が友人「藤原千夏(ふじわら・ちか)」と帰宅している途中、黒い服の怪しい連中に襲われる。思わず姫子を助けた満月だったが、逆に姫子にストーカー扱いされ、警察の取り調べを受けることになってしまう。なんとか釈放された満月は姫子とともに、依頼人・至大のもとに向かう。今回の依頼内容について、至大を問い質す満月。しかし、至大はなかなか説明しようとせず、さらに「1ヵ月ほど、姫子を(満月のもとに)置いてほしい」と頼む。気が乗らない満月だったが、事務所の上司「千条光(せんじょう・ひかる)」から受けるよう命令され、しぶしぶ承諾。姫子とのギクシャクした共同生活がはじまる。
時を同じくして、満月たちの住む地域で、ある事件が勃発する。この地方には三つの勢力があった。そのうちの二つは「木島組」「瀬田組」というヤクザ。もう一つはヤクザの対抗勢力で、活動の範囲を海外にまで広げている犯罪組織「ミューズ」だった。そして今回、木島組の組長を含む23名が、裏社会を渡り歩いてきた用心棒「御堂紫倶(みどう・しぐ)」に惨殺されてしまったのだ。一見、何の関連もない少女誘拐未遂事件とヤクザ惨殺事件。しかし、思わぬところで二つの事件はつながっていた。満月は、自分の意志に反して、これらの事件に巻き込まれてゆく……。
数多くのキャラクタが織り成す人間ドラマに注目
「Rain ballad 虹色のロマネスク」では、(この世のものではない)幽霊を含む15以上のキャラクタによる人間ドラマが描かれる。ゲームの途中で選択肢は登場するが、ストーリーの展開にはほとんど関係はない。事件の謎解きだけでなく、キャラクタ同士の熱いバトルも展開する。
主人公の満月は不思議な能力を持っており、この世ならざる者――幽霊の姿を見ることができ、話すこともできる。物語では、満月の家に棲みついている幽霊「琴葉(ことは)」をはじめ、さまざまな幽霊が絡んでくる。
システムは非常にシンプル。画面上部のメニューバーには、画面サイズとボリュームを調整する項目、ゲーム終了ボタンのみが設置されている。右クリックで入れるメニュー画面には「Save」「Load」に加え、バックログを読める「back」ボタン、文字を消す「window」ボタン、タイトルに戻る「Title」ボタンがある。テキストをスキップをするには【Enter】キーと【Ctrl】キーを長押しすればよい。