パスワードによる暗号化のほか、ICカードを使った暗号化も可能なファイル暗号化ソフト。「ToraTora」は、簡単な操作でファイルを暗号化し、保護できるファイル暗号化・復号化ソフト。ドラッグ&ドロップでファイルを暗号化でき、パスワードを知らない他人には読み出せないようにする。パスワードによる暗号化のほか、ICカードを用いた暗号化にも対応。パスワード/ICカードの両方を併用した強固な暗号化も可能だ。
ファイルの暗号化(または復号化)は、ドラッグ&ドロップで簡単に行える。暗号化は、暗号化したいファイルを「ToraTora」のメイン画面にドロップし、暗号化の方式(オプション)を選んで、「暗号化」を実行すればよい。復号化の場合には、暗号化されたファイルをドロップして「復号化」を実行する(いずれの場合も、このあとに「名前を付けて保存」ダイアログで出力先を指定する)。暗号化オプションで「パスワード」または「併用」を選択した場合は、さらにパスワード保護を行える。ICカード/パスワード双方を併用した多要素認証方式を選択すれば、安全性をより高めることができる。
暗号化方式は、米国の新暗号規格で使われるAESを採用。暗号の強度を決定する鍵長は256bitとなっている。暗号処理には、Windows XP以降に標準搭載される暗号化サービスプロバイダ(CSP)を利用。標準的なAPIを用いることで、環境によらない安定した動作が望めるほか、セキュリティホールが発見された際などにも、Windows Updateで修正されるというメリットがある(標準で暗号化サービスプロバイダが搭載されていないWindows 2000などでは、独自開発によるAESライブラリを用いて暗号化を行う)。
一般的に暗号化ソフトは複雑な演算を行うため、ある程度の処理時間がかかる。しかし「ToraTora」では、GPUをAES演算に使用する「GPUアクセラレーション」に対応し、NVIDIAの「CUDA」を使用できる環境であれば、CPUパワーの低いパソコンでも高速に復号化処理を行うことが可能。マルチスレッドにも対応し、(CUDAがない環境であっても)マルチコアCPUなどの高性能なCPUが利用できる環境では、処理の高速化を図れる。
別途、UNLHA32.DLLを用意すれば、フォルダ単位での暗号化や圧縮を行うことも可能。複数ファイルをメールで送る場合やデータフォルダの一括暗号化などの際に便利だ。
ICカード/リーダがない場合でも、同じ作者・平山 直紀さんによる「myuToken」を使えば、USBメモリ/SDメモリをあたかもICカードのようにエミュレートして利用できる。ソフトの操作感は、実際のICカードを使用した場合と変わらない。