リアルタイムに表示されるメッセージを見落とさずに、戦闘を進めよう

「シルフドラグーンゼロ」は、マウスとキーボードとを併用する独特の操作感が楽しい2D全方位シューティングゲーム。画面右側に大きく表示される、登場人物たちのやり取りも必見。ゲームの内容は一見シリアスだが、実はお遊び度も満点。作戦成功度100%以上でクリアし、ハードコアモードでゲームの奥深さを味わってほしい。

ゲームの舞台は遙か未来、26世紀の太陽系。外星系から流れ着いたMIDASナノマシンによって、地球と月面とが灰色の機体で埋め尽くされてから100年。人類は、外星系に安寧の地を探し求めるニューフロンティア派と、MIDASからの地球奪還を目指すマザーアース派とに分かれていた。プレイヤーは、地球人類の中で43人しか確認されていない適合者のひとりとしてドラグーンのパイロットとなり、マザーアース派の補給艦「アトランティス号」とともに、地球を奪還する作戦に身を投じてゆく……。

ゲームの大きな特徴は──全方位シューティングゲームであることのほかに──画面右側で展開される、主人公とサブキャラとの会話によるドラマ。敵機との戦闘中にリアルタイムで、あるいは小康状態のときに画面をクリックすることで、物語が進展してゆく。新たに登場した敵機の性能に関する情報やミッションの目的・目標、戦闘継続か撤退かの選択など、ミッションの成否に関わる重要なメッセージも頻繁に表示される。ここでの選択はゲームの結末にも影響が及ぶため、判断は慎重に行いたい。エンディングはマルチエンディング方式で、ノーマルモードを作戦成功度100%以上でクリアしたあとには、ハードコアモードをプレイできるようになる。

主な登場人物は、宇宙服姿の主人公と、ミッション中にさまざまなサポートをしてくれる美人オペレータ「ヘレン＝マイヤー」、母艦であるアトランティス号の館長「ハヤト＝ムラサメ」の三人。会話などのメッセージは、初期状態では画面右端のキャラクタイラストの中央に表示されるが、設定を変更して、フィールド画面内の右端（上部、中央、下部の指定が可能）に表示させることも可能だ。

機体の特性をよく理解して、自分のプレイスタイルに合ったものを選択しよう

主人公が搭乗する機体は、外星系の遺失技術を一部復元・利用して作られた航宙戦闘機「ドラグーン」。対MIDAS戦に最適な性能を持つ優れた兵器だが、機体に適合するパイロット適性を持つ人間が極めて少ないという欠点もある。搭乗可能なドラグーンは「ギガント ドラグーン」「ラプター ドラグーン」「エストック ドラグーン」の3種類。ゲーム開始時に使用できるのは1機種のみだが、ストーリーが進むにつれ、使用できる機体が増えてゆく。

主人公が最初に搭乗するのが「ギガント ドラグーン」。移動速度は遅いが、強力なシールドを搭載し、装甲も厚い。初心者には最も扱いやすい機体だ。メインウェポンを2門搭載することが可能で、攻撃力もある。「ラプター ドラグーン」は、移動速度が最も速い。ただし装甲が薄く、機動力を活かして敵の攻撃を回避し続ける操縦テクニックが要求される。「エストック ドラグーン」は、操作方法が他の2機種とは異なる。攻撃力、機動力ともに優れ、ハイブースターを標準搭載する。操作に慣れれば、使いやすい。

操作は、キーボードとマウスとを併用して行う。キーボードで機体を移動させ、マウスで照準の操作を行う。キー操作による機体の移動方向は、機種によって異なる。全機種ともマウスポインタの存在する方向に機首が向き、その方向に射撃を行える点は同じ。「エストック ドラグーン」以外の2機種は、機首の向きに関わらず、カーソルキー（【W】/【S】/【A】/【D】による操作も可能）の操作で、機体が画面上を上下左右に移動する。「エストック ドラグーン」のみ機首の向きを基準に、機体が前後左右に移動するようになっている。「エストック ドラグーン」だけはハイブースターを標準装備し、【Shift】/スペースキーを押すことで、瞬間的に高速移動できる。

攻撃にはマウスボタンを使用する。左クリックでメインウェポンを連射し、右クリックでサブウェポンを発動する。中クリックは自動連射のON/OFF。クリックすると、再度クリックするまで（メイン/サブを問わず）射撃武器が自動連射されるようになる。

クレジットを使って機体や兵器を強化することも可能

ドラグーンには全機種に強力なシールドが搭載されている。シールドを上手に使いこなすことがゲームを攻略する上でのポイントとなる。

シールドの状態は、画面右下に表示される丸いゲージのうちの内側、緑色のゲージで確認できる。ゲージが100の状態のときは、敵の攻撃によるダメージを97%シャットアウトすることが可能。ゲージの値は敵の攻撃を受けると減少するが、時間とともに自動回復する（つまり、敵の攻撃を連続して受けない限り、受けるダメージはごくわずかですむ）。ただし、エネルギーを大量に消費する武器を使用した直後は、シールドの値が一時的に減少し、その瞬間に攻撃されると大きなダメージを受けてしまう。

ドラグーンの兵装は、メインウェポンとサブウェポンを各1種類ずつ搭載することが可能（「ギガント ドラグーン」のみサブウェポンがなく、メインウェポンを2門搭載する）。用意されたメインウェポンは4種類。

• 中程度の攻撃力を持つ拡散ビーム砲「拡散砲」。強化することで、どんな状況にも対応でき、使いやすい
• 強力な核融合ミサイル「熱核砲」。連射性能が低く、すばやく動く敵に照準を合わせるのは難しいが、爆発することで広範囲をまとめて攻撃できる
• 超高速質量弾を発射する「狙撃砲」。敵単体への威力は最高だが、動きの速い敵に命中させるには、プレイヤーの腕が問われる
• あらゆる敵を貫通し、まとめて攻撃できる波動レーザー「レーザー」。高速な敵には有効だが、攻撃力がやや弱く、耐久力の高い敵を倒すには照射し続ける必要がある

• ビームブレードを展開し、機体周辺の敵に大きなダメージを与える「エネルギークロー」
• 機体を瞬間急加速する核パルスブースター「ハイブースター」（「エストック ドラグーン」が標準装備）
• シールドの能力を一時的に強化し、敵の攻撃を反射する「シールドエンハンサー」
• リミッタを一時的に解除し、メインウェポンの威力を5倍にする「リミットブレーカー」（使用すると装甲が激しく融解し、HPにダメージを受ける）

ただし、敵に撃破されたあとの選択でセットアップ画面に戻るたびに、少しずつ難易度が下がっていく設計なので、「どうしてもミッションがクリアできない」ということはない。チェックポイントを通過し、基準を満たすことで、戦闘をそこで終了するか継続するかを選択することも可能だ。繰り返しプレイすることで、誰でも必ずエンディングまで到達できるのではないだろうか。

「シルフドラグーンゼロ」が真の姿を現すのは、実はここから。エンディング後に、ヘレンと艦長からゲームの成績を項目ごとに評価してもらうことができる。この評価がかなり手厳しく、筆者などはさんざん貶されまくってしまった。しかし、二人のキャラクタのセリフとして語られるため、決して不快な感じはしない。むしろ、この二人の高評価を聞いてみたいと、やる気が出てきたほど。ここで教えてもらえるゲームのポイントなども重要だ。

ノーマルモード中にも随所にヒントが散りばめられてはいるが、ハッピーエンドでクリア後にプレイできるようになるハードコアモードでは、それまでの固くて真面目そうなシナリオから一転して──基本的な流れは同じものの──かなり砕けた雰囲気となる。

それ以外にも、遊べる要素がいろいろと満載された、チャレンジし甲斐のあるゲームだ。頑張って攻略してもらいたい。

ユーザにお勧めする使い方
「クリアし甲斐があるゲームを遊びたい」という方は、ぜひ強化なしのクリアを目指してみてください。逆に、シューティングゲームが苦手な方でも、機体の強化や難易度の自動調節機能などによって、プレイヤーさんの腕に応じた楽しみ方ができると思います。こうしたゲームが得意でない方でも、お気軽にプレイしてくださると幸いです。