第三次世界大戦後、文化と自由意志が極端に規制される世界で、自由を求めて戦った少年少女たちの物語。平和と平等を勝ち取るための代償は“人間の心”だった
「ラスト・ピュリファイ」は、近未来の「東京」を舞台に、少年少女たちの葛藤が描かれたノベル型アドベンチャーゲーム。「感情を破棄することで、真の平等と平和が手に入る」という考えが常識の中で育った主人公「未名守徹」が、人間らしい生活を願う「東京」の人々とふれあうことで成長してゆく。
時は近未来、2014年に勃発した中東の勢力と軍事大国による第三次世界大戦は、核戦争という最悪の結果をもたらした。多くの国が消滅し、人類の存続が危ぶまれたが、非武装・平等・世界平和をスローガンに掲げる「世界倫理機関」の誕生により、戦争は終結する。
平定後は国家が解体され、機関が治める統一社会に移行。軍事兵器は廃棄され、宗教の廃止、自我の抑制、娯楽の禁止と、有無をいわさず文化と自由意志が葬られていった。大戦から14年後の2028年、長く防衛戦を続けてきたオランダがついに陥落。機関の世界統一まであと一歩に迫った。現在、非倫理圏である地域はただひとつ。それが独立都市「東京」だった。
物語は、倫理圏の筑波ローカルコロニーに住んでいた13歳の少年「徹」が、コロニーを抜け出して、行き倒れていたところからはじまる。東京防衛軍の学兵「前田竜二」と「流鏑馬淳」に保護された徹は、手当をしてくれた開業医「子麻夏樹」の勧めもあり、竜二とともに生活することになる。倫理社会の市民で、機関の徹底的な精神教育を受けた徹には、あらゆる感情と価値観がなかった。見るものすべてがはじめてで、戸惑う徹。時には価値観の相違から、周囲と衝突することもあった。しかし、そんな徹の無垢さに惹かれ、東京の人々は徹に人としての精神を取り戻させようと試みる……。