「Soroban」はその名の通り、デスクトップに表示される「そろばん」ソフト。

• 実際のそろばんを指で弾くように、マウスで珠を弾いて計算する「手動操作」
• 電卓のように数値を入力して計算する「自動操作」

メイン画面には、リアルなそろばん画像が表示される。そろばんの桁数や小数点の位置、珠の種類（樺、柘、紫檀、黒檀、真珠）、珠の動きのアニメーション間隔などは、ユーザが設定を変更することも可能。小数点の位置を常に表示させておくこともできる。

「Soroban」で可能な計算は「加法」「減法」「乗法」「除法」「開平法（平方根の計算）」。加法と減法は「加法と減法」というひとつのモードにまとめられ、減法はマイナスの数値を加えることになる。開平法の種類は、倍根法または半九九法から選択できる。

手動操作は、デスクトップ上のそろばんを実際のそろばんと同じように扱うもの。計算できるのは「加法と減法」。珠を左クリックすると、クリックされた珠が弾かれる。6以上の数を入れるには、一珠（下段の珠）を右クリックすればよい。小数点の位置をカーソルキーで移動させたり、上枠にマークを打ったりすることも可能だ。

自動操作では、用意されたすべての計算を行うことが可能。数値を入力して【Enter】キーを押すと、計算が実行される。

そのほか、

• 数値が入力されたテキストファイルを読み込み、1行ごとに加算（マイナスの数値の場合は減算）する「見取算」
• 現在の値のクリップボードへのコピー
• クリップボードの値を貼り付けて、自動操作を実行

そのそろばんがデスクトップに出現するのが「Soroban」だ。たぶん電卓を使った方が複雑な計算もできるし、計算結果も早くわかるのだろうが、「こういうのもよいのではないか」と思わせてくれる。自動計算の乗法、除法、開平法は、単に計算結果が珠で表現されるものだが、珠の動きを眺めているだけで、なんだか楽しくなる。

そろばんのおもしろさを海外の方にも知ってほしいという思いもありました。それには「パソコンさえあれば、どこでもそろばんが体験できる環境があるとよいのでは」と思いました。そのような思いから、本ソフトは英語表記に切り替えられるようにしています。

開発中に苦労した点
除算機能の実装が難しかったです。除算は四則演算の中では特に難しいものです。開平は、除算ができればそれほど難しいものではありませんでした。GUI（そろばんの画像）の作成にも時間を要しています。できるだけリアルなそろばんを求めつつ、さまざまな素材の珠を用意しました。表示するディスプレイや表示位置などによって見え方が異なることがあり、どこでよしとするかも悩みました。

ユーザにお勧めする使い方
とにかく計算を楽しんでほしいです。珠をはじいて思うがままに計算してみてください。電卓にはないおもしろさがあります。本ソフトは平方根の自動計算まで対応していますが、実際のそろばんは立方根の計算もできます。ぜひ挑戦してみてください。そろばんをお持ちの方は、見取算機能を使ってコンピュータと計算競争をするのもおもしろいかもしれません。巨大なワイドディスプレイをお持ちの方は、桁数の大きなそろばんを試してみてください。フルHDだと57桁くらいまで可能です。

今後のバージョンアップ予定
いまのところ特にありません。ご意見・ご要望をお待ちしております。お気に入りのソフトであり、開発は続けたいと思っています。