ウイルス対策やフィッシング詐欺からの保護に加え、トラブルの解消、データのバックアップなどにより、パソコンの安全性と快適性を総合的に向上させる、パーソナルユーザ向けのセキュリティ対策ソフト。「ノートン 360 バージョン 4.0」は、一般的なユーザにとって身近な脅威からパソコンを守り、かつ快適に使えるよう最適化できる総合セキュリティ対策・環境改善ソフト。「ノートン インターネットセキュリティ 2010」の機能をすべて含み、さらにバックアップ機能やチューンナップ機能が追加された、「ノートン」シリーズの最上位版にあたる。「バージョン 4.0」では、前バージョン(3.0)に対して、ノートン評価サービスによる保護機能の強化や動作の高速・快適化をはじめ、多数の機能追加・強化が行われた。
搭載された機能は、大きく分けて「PCセキュリティ」「IDプロテクション」「バックアップ」「PCチューンナップ」の四つ。メイン画面にはそれぞれの大きなアイコンが並び、パソコンがどのような状態にあるのかがひとめで把握できる。各アイコンをマウスでポイントするとメニューが表示され、詳細を確認したり、機能を実行したりできる仕組み。設定の変更は別画面で行うようになっており、ユーザが不用意に設定を変更する(保護を無効にする)ことを防いでいる。
「PCセキュリティ」は、ウイルス対策とファイアウォールに相当するもの。ウイルスのスキャン、自動保護、ネットワーク経由での不正アクセスやスパイウェアによる情報漏洩の遮断、Webブラウザ経由でダウンロードされるファイルのスキャン、スパムメール対策などを行える。任意にスキャンを実行する場合は──総合型ソフトの利点を生かし──ウイルス/スパイウェアのスキャン以外にも、ドライブの最適化や一時ファイルの削除、バックアップなどをまとめて行える。
「IDプロテクション」は、Webサイトの安全性を評価したり、フィッシング詐欺サイトを検知して警告したりといった、ネットサーフィン中の安全性を高めてくれる機能。「IDセーフ」を使って、住所や電話番号、クレジットカード番号など、具体的に保護したい情報を設定することが可能。ログイン認証が必要なサイトのID/パスワード情報を管理し、認証を自動化することで、キーロガーによる情報漏えいを防ぐこともできる。
「バックアップ」は文字通り、ファイルのバックアップコピーを作成する機能。対象となるファイルやバックアップ先、実行タイミングがまとめられたバックアップセットを作成して実行する。バックアップ先にはローカルハードディスクのほかに、2GBの専用セキュアオンラインストレージを指定することも可能だ(プレミアム版では25GB。オンラインストレージの容量が不足する場合は、追加で購入することも可能)。
「PCチューンナップ」は、パソコンの動作パフォーマンスを維持し、快適化する機能。ハードディスクの断片化を解消する最適化、不要な一時ファイルの削除、レジストリのクリーンアップ、パソコンの起動時に自動実行されるプログラムのカスタマイズなどで快適化を図る。
ウイルススキャンは、オートプロテクト機能が初期状態でONに設定されており、ディスクの最適化やバックアップも、基本的にはパソコンのアイドルタイムなどを利用して自動実行される。バックアップセットの作成を除けば、特にユーザの設定が必要な項目はない。
各機能の動作状況や実行履歴は「Nortonタスク」で確認できる。CPU使用率やメモリ利用率の変化を示すグラフなどもあわせて閲覧できるようになっている。そのほか、
- ネットワークの接続状況をグラフィカルに表示してくれる「ネットワークセキュリティマップ」
- 検知した脅威の数やチューンナップの結果などの統計情報を確認できる「月単位レポート」
- トラブル発生時に問題解決の参考になる「診断レポート」
などの機能も搭載する。さらに、製品の購入者に対して無償で提供されるアドオンパックを組み込むことで、危険なWebサイトへのアクセスなどを未然に防ぐ保護者機能や、個人情報の流出を防ぐプライバシー制御機能を追加することができる。