「SuperPrint Utilities」は、インクの消費量を抑えたり、1枚の用紙に複数のページを割り付けて印刷したりすることで、印刷コストの削減を図るソフト。印刷実行時にプリンタドライバの代わりに指定することで、本来のドライバにはない、さまざまな機能が提供される。設定内容はリアルタイムにプレビューに反映され、実際の出力イメージを確認しながら、設定を行うことが可能。複数の印刷ジョブを蓄積することもでき、例えば複数の異なるアプリケーションで作成された文書をまとめ、ひとつの文書のように出力することもできる。

搭載された機能は大きく分けて、

• 印刷コストの削減
• 印刷節約の管理

「印刷コストの削減」は「インク/トナーの濃度調整」「用紙の節約」で実現する。「インク/トナーの濃度調整」は、節約率を1%単位で自由に設定することが可能。最大75%まで設定できる。プリンタ標準搭載のドラフト印刷（簡易印刷）と比較しても、同等の濃度で高い印刷品質が得られる。

「用紙の節約」は、割付印刷、両面印刷、印刷ページ削除など、レイアウトの調整や不要なページを削ることで、紙の使用量を減らすもの。割付印刷では、用紙1枚に最大8ページを割り付けて印刷することが可能。縦横比を保ったまま用紙いっぱいに印刷する「ピッタリ印刷」機能なども用意されている。

印刷前のデータを編集したり、印刷ジョブを蓄積したりすることも可能。サムネイルで確認して、実際に印刷するページを選んだり、ドラッグ＆ドロップでページの印刷順序を入れ替えたり、空白ページを追加したりといったことを行える。印刷ジョブの蓄積では、複数の異なるアプリケーションで作成された文書を蓄積し、まとめてひとつの文書のように出力できる。

「印刷節約の管理」は、印刷状況をログで管理することによって実現する。ユーザ別の印刷コストやプリンタごとの節約率、節約できた金額などを集計・管理できる。月次単位で集計結果を一覧表示させることも可能で、前月や前年度の節約効果と比較することもできる。印刷ログはCSVファイルでの入出力に対応する。

そのほかにも、

• 名前などの文字入り印鑑を作って捺印できる「印鑑」
• 文書の背面または前面に文字や画像を重ねて印刷できる「透かし」

同様の機能を持つものはこれまでにも存在したが、「SuperPrint Utilities」がユニークなのは、ユーザ別やプリンタ別のコストを自動で集計したり、削減結果をCSV形式のファイルとして保存したりできる点だろう。これまでもインクカートリッジの購買単価などを設定することで、試算を可能にしたソフトはあったが、「SuperPrint Utilities」では、さらに徹底した分析が可能なため、印刷コストをシビアにチェックしたい方にとっては強力なサポートツールになりそうだ。

さらにもうひとつ挙げるなら、複数の印刷ジョブを「SuperPrint Utilities」上で編集できるのも魅力。ワープロで作成した文書の途中に、表計算ソフトで作ったデータを入れるというような作業も、ページ（用紙）単位でよいのであれば、サムネイルをドラッグするだけで簡単にできてしまう。オフィスアプリケーションの使い方に精通していなくても問題ない。

操作も簡単。インク/トナーの節約は削減率をスライドバーや数値で指定するだけだし、レイアウト機能は設定のつど、プレビュー画面に反映されるので、はじめてでも戸惑わない。ムダな試し刷りをする必要がないという点でも、コストの削減につながる。最終的に紙に出力したいのであれば、初心者/上級者あるいはパーソナル/ビジネスといった区分けに関係なく、幅広くお勧めできる。複数のプリンタに対応し、用途に応じてプリンタを使い分けている場合には、より大きな節約効果が見込めるのも大きな魅力だ。

開発中に苦労した点