長くパソコンを使っていると、体感的な処理速度が低下したように感じられることがある。その大きな要因のひとつがハードディスクに保存されているファイルの断片化(フラグメンテーション)だ。この断片化を解消し、ファイルをきれいに並べ直すことでドライブ本来の処理能力に近い性能を引き出すのが「デフラグ」という作業で、「断片化の解消」あるいは「ディスクの最適化」などとも呼ばれる。デフラグは、パソコンを快適に使う上では非常に効果的で重要な作業だ。しかし、ハードディスクの大容量化が進むにつれて、一回の処理に必要な時間が長くなってきたことや、WindowsのファイルシステムがFATからNTFSに切り替わった際に「断片化が起こりにくい」と謳われていたこともあって、あまりデフラグを行っていないという人も多いのではないだろうか(かくいう筆者も実はそのひとり)。
「Diskeeper 2010 Professional」は、そんな人にぴったりソフトだ。実際に自動デフラグをONにして、しばらくテキスト編集などの簡単な作業を行っていたが、かすかにハードディスクが動いている感じはあるものの、その負荷が感じられるというほどではない(もちろんデフラグが終了すれば、いつもの状態に戻る)。オフィスアプリケーションでのビジネス文書作成程度なら、特に気にするほどでもないだろう。もちろんパソコンをフルパワーで使いたいときは、自動デフラグを停止させる曜日や時間帯を設定できるので、問題はない(しかも設定は簡単)。
重要性は理解していても「処理に時間がかかる」という理由でデフラグを行ってこなかった人も、これで避ける理由がなくなったわけだ。常にパソコンを使っていて、「メンテナンスの時間さえ惜しい」という人にこそ使っていただきたい。
(福住 護)