高い検知能力で定評のある総合セキュリティ対策ソフト。既知のウイルスはもちろん、未知の脅威も防御できる。「Kaspersky Internet Security」は、ウイルス対策、迷惑メール対策、フィッシング詐欺対策、ファイアウォール、個人情報保護などの機能で、パソコンを総合的に保護してくれるセキュリティ対策ソフト。新バージョン「2010」では、
- 隔離された仮想環境でアプリケーションを実行できる「仮想実行スペース」
- ゲーム中のメッセージ表示やアップデートなどを一時停止して、快適にプレイできるようにする「ゲームモード」
- 検索結果ページで危険度を表示する「危険サイト診断」(IEおよびFirefoxに対応)
などの機能が追加された。全世界のユーザからの情報を共有し、未知の脅威に対応する「カスペルスキーセキュリティネットワーク(KSN)」は前バージョンから強化され、より迅速な防御が可能になった。メイン画面には、主要な機能がタブに分類されて並ぶ。選択できるタブは、
- パソコンを保護する「プロテクション」
- アプリケーションの動作を監視する「アプリケーションコントロール」
- ウイルスの感染と脆弱性を検出する「スキャン」
- 最新の定義ファイル等に更新する「アップデート」
- パソコンの安全性を高める「セキュリティプラス」
の五つ。さらに画面の上部では、システムの総合的な保護状態を確認できるようになっている。「プロテクション」では、セキュリティ設定の状態をひと目で確認できると同時に、機能のON/OFFを切り替えたり、設定を変更したりすることが可能。保護対象により、
- 文書ファイルやパスワードなどのデータを保護する「データプロテクション」
- システム関連のファイルやアプリケーションを保護する「システムプロテクション」
- Webサイトなどの閲覧やメールなどを保護する「オンラインプロテクション」
に分類され、直感的に操作できるよう工夫されている。ウイルス対策では、ファイルやメール、Web閲覧、メッセンジャーの利用時にスキャンを実行。メールではPOP3/SMTP/IMAP/NNTPの各プロトコルに、またメッセンジャーではWindows Live メッセンジャーやYahoo!メッセンジャー、Googleトークなどに対応する。迷惑メールに対しては、ヘッダやテキストを分析して学習するスパムフィルタを利用できるほか、画像の文字情報を解析することも可能。判別された迷惑メールは自動振り分けされる。Thunderbird、Shuriken、Windowsメールなどのメールソフトに対応する。さらにオンライン対策としては、高い防御率を誇るファイアウォール、アンチフィッシング、攻撃元からの接続を禁止するアンチアタックなどの機能が用意されている。「アプリケーションコントロール」は、「プロテクション」のひとつとして位置付けられ、主にアプリケーションの動作監視を行うもの。システムにインストールされたアプリケーションをホワイトリストやヒューリスティックなどでチェック。信頼度を4段階のレベルに分け、各レベルに応じた監視を行うことで、検知能力とパソコンへの負荷を調整する。各アプリケーションのレベルや負荷の状態を確認したり、Cookieやブラウザの操作履歴、プライバシーに関わる設定へのアクセスを監視したりもできる(プライバシープロテクション機能、仮想実行スペース機能)。
「仮想実行スペース」は、保護された仮想環境でアプリケーションを実行したり、ファイルを開いたりすることで、万一マルウェアの被害に遭ったとしても、パソコンに被害が及ぶことを防げる機能。仮想実行中のアプリケーションは、画面が緑色の枠で囲まれる。仮想実行時にはファイル保存用のフォルダが作成され、Windowsからはドライブとしてアクセスできる。
「スキャン」には大きく分けて、
- ウイルスやマルウェア(不正プログラム)などの検査を行う「オンデマンドスキャン」
- OSやアプリケーションの脆弱性をチェックする「脆弱性スキャン」
の2種類がある。「オンデマンドスキャン」は、スキャン対象をシステム全体、ドライブ/フォルダ、メール、システムメモリ、ディスクブートセクタなどから指定することが可能。OSのスタートアップオブジェクトを対象にスキャンを行う「簡易スキャン」機能もある。2回目以降のスキャンは更新ファイルや新規ファイルを対象に行われるため、回数を重ねるごとに短時間で終了するようになる。「アップデート」では、マルウェアの定義データベースや修正モジュールに関する最新情報の確認と更新を行える。アップデートは手動実行したり、スケジュール実行させたりすることが可能。ネットワークトラブルなどで更新が完了しなかった場合、前の状態へ戻してくれるロールバック機能も備えている。
「セキュリティプラス」は、設定診断や子ども向けの設定などで、さらにパソコンの安全を高めてくれる機能。マルウェアの感染やシステム設定の破損といった異常を診断できるほか、安全性を最優先したブラウザの設定診断なども行える。利用できる機能は、
- 子どもがアクセスできるコンテンツを制限する「ペアレンタルコントロール」
- ブラウザの履歴やCookieなどのプライバシー情報を一括消去する「プライバシークリーナー」
- ネットワーク状態の監視モニタ
- キーロガーによる情報漏洩を防ぐためのソフトウェアキーボード
など。さらに、隔離や駆除などの処理履歴を閲覧したり、検出したマルウェアやネットワーク攻撃などの統計情報をレポートとして表示させたりすることもできる。