前バージョン以上に軽快になった「ウイルスバスター」の新バージョン。新種ウイルスへの対応機能なども強化された。「ウイルスバスター2010」は、“定番”の総合セキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター」シリーズの新バージョン。大幅な軽量化が図られた前バージョン「2009」に比べても、より一層の軽量化を実現。起動時間やクイック検索時間が短縮した。さらに、新しいOSへの対応が行われたほか、新種ウイルスへの対応として「SMART PROTECTION NETWORK」の導入なども行われた。
ソフトの心臓部ともいえるアンチウイルスエンジンに追加されたのが、「SMART PROTECTION NETWORK」と呼ばれる新たなコンセプトにもとづいた機能。「ウイルスバスター」では、パターンファイルだけに頼らず、プログラムの挙動などからウイルスである可能性を総合評価する「レピュテーション」技術がすでに採用されているが、SMART PROTECTION NETWORKでは、こうした「挙動に関する情報」や「有効な対処方法」をインターネット上で共有し、適宜更新することで、未知のウイルスへの即応性を高める。
さらに「2010」では、
- 「2009」よりもさらに軽快になった使用感
- クイック検索時間の短縮
- システムチューナーの自動化
- サイレントモードの拡張
- 新OS(Windows 7およびMac)への対応
などの強化が行われた。動作の“軽快さ”では、起動に要する時間が従来バージョン「2009」に比べて34.6%も短縮。重要なファイルや領域を短時間でスキャンする「クイック検索」機能でも、23.5%もの時間短縮を達成している(いずれもトレンドマイクロ調べ)。さらに、拡張されたサイレントモードでは、予約検索やパターンのアップデートは、パソコンが使用されていない(アイドル状態)場合に限って実行され、通常使用での軽快感を損なわない。パソコンを全画面(フルスクリーン)モードで使用している場合も、スキャンやアップデートは行われない。不要なファイルやレジストリエントリ、スタートアッププログラム、Cookieやブラウズ履歴など、不要と思われるデータを整理・削除することで、パソコンの動作速度を改善する「システムチューナー」には、自動実行機能が追加された。(システムチューナー自体は前バージョンでも利用できたが)定期的な自動実行により、パソコンを常に最良の状態に保つことができる。
新OSに関しては、10月22日に発売が予定されているWindows 7への対応が完了。もちろんOSの「セキュリティセンター」との統合動作も可能で、Windows 7の発売後、すぐにパソコンを安全な状態に保つことができる。また、新たにMacへの対応も果たした。現時点で対応するのはMac OS X Leopard(10.5)までだが、発売されたばかりのSnow Leopard(10.6)にも対応予定となっている。Mac OS X版でも、ウイルス/スパイウェア対策やフィッシング詐欺対策、有害サイト規制などの機能を搭載する。「ウイルスバスター2010」は、1本で計3OSまで利用することが可能で、この範囲内であれば、WindowsとMacとを混在使用している環境などでも、複数ライセンスを購入する必要はない。