作業スタイルやユーザのレベルに合わせてインタフェースをカスタマイズできる高機能イラスト作成ソフト。キャンバスを回転・拡大・縮小させ、使いやすいスタイルで描画することが可能。「IllustStudio」は、“絵を描くことの快適さ”が追求されたイラスト作成ソフト。Gペンや丸ペン、エアブラシをはじめ、イラストを作成するための数多くの画材と彩色方法が用意され、アニメ塗り風、CG塗り風、水彩画風など、さまざまなタッチの画像を作成できる。線のブレや乱れを抑えられる「ストローク補正」や、簡単に描線にタッチをつけられる「入り抜き補正」といった機能も搭載する。
インタフェースは、一画面内で同時に複数の画像を表示・編集できるMDI形式。編集機能は、ツールバーと各種ツールパレットから選択できる、レタッチ/ペイントソフトとしては一般的な構成になっている。
大きな特徴のひとつが、ツールパレットの種類や配置を組み合わせたインタフェースがあらかじめ複数、用意されていること。レイアウトを指定するだけで、ユーザの目的に合った構成を選択できるようになっている。標準的なインタフェースとして用意されているのは、
- 初心者向けに、機能の探しやすさを重視したレイアウト
- 他の画像を参考にすることの多い人向けのレイアウト
- 各種パレットを左側に配し、レイヤパレットを広く確保したレイアウト
- 便利な機能を有するパレットを網羅した上級者向けのレイアウト
など、計8種類。画材の種類は多彩。ペン(Gペン)や鉛筆、筆ペン、エアブラシなど、イラストの作成に必要とされる画材が数多く用意されている。特定の画像パターンを、指定色でペン先から出力する「パターンブラシ」もある。パターンブラシを使えば、漫画などで使われる網掛け風の効果なども簡単に得ることができる。筆圧感知タブレットにも対応し、(画材の種類にもよるが)筆圧に応じてペン先の太さが変化する。
「ストローク補正」「入り抜き補正」も利用できる。ストローク補正は、ペン先の移動の際のブレをスムージング補正し、きれいなストロークに変換するもの。補正の強さは自由に設定でき、マウスを使用しても、まるでタブレットで描画したかのようなスムーズなペン運びを行える。入り抜き補正は、描画ストロークの開始点と終了点で太さを連続的に変化させる機能。自然なタッチのストロークで描画できる。
キャンバスの回転機能も大きな特徴のひとつ。作画中の画像全体を任意の角度に回転することが可能で、回転させた状態で描画を行える。ちょうど「手描きのイラストで、用紙をさまざまな角度に回転させながら描画する」といったイメージで、マウスやペンを自分の動かしやすい角度にして描画することが可能だ。回転だけでなく、キャンバスを拡大・縮小させて描画することもできる。
彩色機能も強力。色選択では、基本的な色一覧から目的の色を選択できる「カラーセット」のほか、色相、明度、彩度から色を選択できる一般的なカラーガイドパレット、最大4色をブレンドさせて色を作り出せる「中間色パレット」などが揃う。描画時には、これらの色をもとに、ストロークによって繊細な色の変化を表現できる「水彩ツール」や、幅広くタッチをつけられる「筆ペンツール」などを使って、色の変化をつけられる。
さらに、複数色によるグラデーション塗りを簡単に行える「グラデーションツール」や、2色の線で囲まれた範囲を等高線状に塗りつぶせる「等高線塗りツール」といった機能も搭載する。複数の閉領域をまとめて着色できる「閉領域フィルツール」などは、線画の下描きに対して彩色することの多いイラスト作成には便利だ。
高度なペイント/レタッチに必須といえるレイヤにも対応する。他のレイヤに描かれた線画を参照して、線からはみ出すことなく着色できる「参照レイヤ」や、下塗りしたレイヤをあらかじめ用意しておき、その領域からはみ出した部分を非表示にする「クリッピングフォルダ」などの機能もある。
そのほか、人体や建物、小物などの3Dモデルを回転させた状態で下描きにできる「3Dオブジェクト」機能もある。イメージしにくい立体をきれいに描きたい場合に便利だ。