「CraftLaunch」は、カスタマイズ自由度の高さが特徴のコマンドラインランチャ。スクリプト言語Pythonを内蔵し、Pythonで設定ファイルを記述することで、複雑な動作を定義できる。簡単な設定は、メニューから行うことも可能。

メイン画面（ソフト本体）は、テキスト入力ボックスのみと非常にコンパクト。コマンド入力でアプリケーションを起動できるほか、ファイル/フォルダをオープンしたり、Webページを開いたりといった操作が可能。非アクティブ時に、メイン画面に時計を表示させたり、メイン画面自体を隠したりもできる。

文字入力補完機能は、ユーザがテキストボックスに文字を入力すると、入力文字に合致した登録コマンドやファイル/フォルダなどがドロップダウンメニューに表示されるもの。カーソルキーでメニューのコマンドを選択し、【Enter】キーでコマンドを実行すればよい。複数の候補がある場合は、入力を続けることで候補を絞り込むことができる。

コマンドの登録は、Pythonスクリプト定義ファイル「config.py」を編集することで行える。コマンドには引数を渡すことが可能。いくつかのコマンドがあらかじめ定義され、引数で渡された文字列をGoogleで検索したり、「英辞郎 on the Web」で翻訳させたりすることもできる。config.pyではコマンド登録のほか、キー割り当てや時計の書式を定義することも可能。「特定の拡張子のファイルを開くアプリケーションを指定する」といったこともできる。

標準的なコマンドとして用意されているのは、コマンド履歴の表示や設定メニューの表示など。設定メニューからは「表示オプション」「入力オプション」「ホットキー設定」「非アクティブ時の動作」「config.pyを編集」「config.pyをリロード」などを行える。

そのほかにも、

• テキストボックスに数式を入力しての計算機能
• ミュージックプレイヤー機能

「CraftLaunch」は、そのコマンドライン型ランチャの代表的なソフト。もともとマニアックな指向の強いソフトで、ユーザも上級者が多かったが、今回の新バージョンでは、さらにその傾向が強まった感がある。これまでは、コマンドの登録もさほど面倒ではなくて、ライトユーザにも十分使えるものだったのだが、今回はPythonスクリプトで記述しなければならなくなった。書式自体は簡単なもので、コマンド登録は頻繁にあることではないのだが、やや難易度が高くなった感は否めない。

その代わり（というのも変だが）、上級ユーザにとってはさらにカスタマイズの自由度が高まり、使いでのあるソフトになったといえるかもしれない。正直なところ、誰にでも勧められるソフトかというと疑問だが、こういうソフトもアリだと思う。

今後は、ドラッグ＆ドロップによるコマンドの追加など、前のバージョンから退化してしまっている部分を復活させたり、スタートメニューのアイテムをコマンドに自動登録したりなどの、より便利な機能を追加してゆこうと考えています。